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井上尚弥の敗北は描けない 初来日の米リング誌記者が「井上のKO勝ち」と語る理由

井上陣営も「予想つかない」試合展開、グレイ氏は「ドネアは距離を置こうとする」

 井上陣営も「予想つかない」と語るなど、息詰まる攻防が期待されるリング。両者ともKO宣言をすることもなく、長期戦、早期決着など全てを想定している。リング誌の記者は、どんな試合展開になると予想するのか。

「ドネアは距離を置こうとしてくると思う。だけど、イノウエは距離を縮め、彼に接近戦をさせると思う。距離を縮めたうえで打撃戦に持ち込み、頭かボディーショットを狙ってくる。ドネアはそのプレッシャーに耐えることはできないだろう」

 一時代を築いたドネアには、「フィリピンの閃光」と称される強打の左フックがあった。ドネアと対峙する全ての選手が警戒する一撃必殺。それでも、百戦錬磨のレジェンドは自慢の左拳で相手の顔面を捕えてきた。これはタイミングや組み立てなど様々な要素を駆使して生まれるが、井上には通用しないという。

「ドネアのノックアウトは左フックからくる事は知っている。イノウエと父親のシンゴトレーナーは、そこに関する対策はしてきているでしょう。ドネアが(4月の)ステファン・ヤングとの準決勝でそのパンチを当てた。だが、彼の左が要注意なのは皆が知っていることであり、秘密のことではない。しかも、ドネアは長い間、イノウエほど才能のある選手と試合をしていないからね」

 リング誌で単独表紙を飾った井上。日本人の単独表紙は創刊96年の同誌史上初だった。「彼のボクシングにおける能力は過小評価されていると言っていい。彼ほど強いパンチャーはいない。パウンド・フォー・パウンド(階級を超えた格付け)で見て、今日における一番強いパンチャーだ」とグレイ氏。どちらが勝つかというより、井上がどう勝つかに期待しているようだった。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)


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