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井上尚弥の敗北は描けない 初来日の米リング誌記者が「井上のKO勝ち」と語る理由

11月7日にさいたまスーパーアリーナで行われるボクシングのワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級決勝で、WBA・IBF王者の井上尚弥(大橋)と5階級制覇王者ノニト・ドネア(フィリピン)が激突する。「THE ANSWER」は、ボクシング界で最も権威ある米専門誌「リング」で編集担当のトム・グレイ氏に直撃。決勝の取材で初来日した同氏が「ナオヤ・イノウエがノックアウトで勝つ」と予想する理由を聞いた。

WBSSバンタム級決勝を控える井上尚弥【写真:Getty images】
WBSSバンタム級決勝を控える井上尚弥【写真:Getty images】

米リング誌編集担当のトム・グレイ氏「イノウエは過小評価されている」

 11月7日にさいたまスーパーアリーナで行われるボクシングのワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級決勝で、WBA・IBF王者の井上尚弥(大橋)と5階級制覇王者ノニト・ドネア(フィリピン)が激突する。「THE ANSWER」は、ボクシング界で最も権威ある米専門誌「リング」で編集担当のトム・グレイ氏に直撃。決勝の取材で初来日した同氏が「ナオヤ・イノウエがノックアウトで勝つ」と予想する理由を聞いた。

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 バンタム級頂上決戦が間近に迫っている。記者歴20年のうち、7年間を「ボクシングの聖書」と呼ばれるリング誌で過ごし、名物コラムニストとしても有名なグレイ氏。バンタム級頂上決戦の予想を聞くと「ナオヤ・イノウエがノックアウトで勝つと思うよ」と断言した。下馬評では日本のモンスターの勝利予想が多い。では、同氏はなぜそう思うのか。

「彼が現段階におけるボクシング界で最高峰のファイターであると同時に、世代(年齢)的なこともある。イノウエは現在非常に伸びてきている段階にあり、全ての局面で成長してきている。一方でドネアのボクシングキャリアは、もう終わりを迎えようとしている」

 36歳でいわゆる“全盛期”を過ぎたとされるドネアについて、今の実力に懐疑的なグレイ氏。さらに、26歳で飛ぶ鳥を落とす勢いの井上に対しては「ストロングポイントは、ほぼ全てと言っていい。彼は完璧な選手だ。勝つために必要なスキル全てがそろっている」と称賛する。穴が見当たらないが、井上の弱点はあるのだろうか。

「彼の試合を見ていても、毎回すぐに勝つのであまり弱みは見当たらない。しいて言えば、プレッシャー(圧力)にどう対応するかがポイントとなる。パンチを受けた時にどう対応するか。ただ、ドネアが彼をそこまで追い詰められるかと考えると、私はそうは思わない。それは試合で見られるだろう。加えて、イノウエはボディーブローも非常に強い」

 直近3試合は全て2ラウンド以内に終わらせている井上。目の肥えた同氏にも、弱点を分析しようがない。唯一挙げられるのは、まだ大したパンチを受けたことがないという“未知の領域”しかないようだ。

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