大会公式SNSも注目 話題の日本人「バクさん」が“世界最薄ジャージ”を着続けるワケ
ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は、20日の開幕から大いに盛り上がりを見せている。五輪、サッカーに次ぐスポーツ界3大イベント。スタジアムではそれぞれの国のジャージだけでなく、コスプレなどで着飾る国内外のファンが目立っているが、中でも世界的に話題となっている熱烈な日本人がいる。
話題のボディーペイント・名物日本人ファンが“活躍”、各国記者もツイート
ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は、20日の開幕から大いに盛り上がりを見せている。五輪、サッカーに次ぐスポーツ界3大イベント。スタジアムではそれぞれの国のジャージだけでなく、コスプレなどで着飾る国内外のファンが目立っているが、中でも世界的に話題となっている熱烈な日本人がいる。
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開幕してから1週間以上が過ぎた。スタジアムに行けば大勢の観客がいるが、試合前の入り口近くにも1か所に人の群れができている。その中心には鮮やかなジャージを身にまとい、国内外のファンから写真攻めを受ける人物が一人。有名人かな、と思いきや、よく見ると上半身は服を着ていない。裸にジャージの絵が描かれているのだ。ビール片手にひっきりなしに写真撮影に応じ、名物ファンとなっていた。
試合前には、海外メディアからも取材や写真撮影をせがまれる。英公共放送「BBC」が公式インスタグラムで「ラグビーW杯でチームのシャツを自分の体にペイントする日本のスーパーファン、バクサンに会う」と画像付きで投稿。大会公式ツイッターも「世界最薄ジャージで有名」などと今大会何度も投稿し、SNS上でも存在感を見せている。オーストラリア代表「ワラビーズ」の公式ツイッターにも「バクサン、サポートをありがとう! あなたが試合を楽しむことを望んでいます」とエールを送られた。
果たして「バクサン」とは誰なのか。スタジアムに行けばすぐにわかる。ユニークな発想で注目を浴びるのは、元ラガーマンの森山漠(ひろし)さんだ。世界的祭典の反響に「W杯に入ってから凄すぎてビックリしてます。ツイッターのフォロワーも4倍くらいになりました。もうついて行かれへん」と驚くばかり。「バクさん」の愛称で親しまれ、元オーストラリア代表のレジェンドSOマット・ギタウ(サントリー)も2ショット動画を投稿。各国の記者も画像や動画を次々とツイートし、一躍有名人だ。
53歳の森山さんが、ボディーペイントでの応援を始めたきっかけは5年前だった。トップリーグを観戦した時のこと。「W杯の開催国なのにあまり盛り上がってなくて、ラグビー場の雰囲気も静かだったんですよ。面白くないなぁと思って。もっと楽しみたい」。目にしたのは、スーパーラグビー「ブルーズ」の応援で上半身をチームカラーと同じ青色に塗った海外のファン。「青で塗っていただけだったので、僕はジャージの色(デザイン)にしました」とアレンジして今の姿になった。
トップリーグの試合から始め、妻や友人にボディーペイント専用の絵具で前も後ろも塗ってもらうという。「難しいんですよ」と胸に刻まれた各国のエンブレムも忠実に再現し、時には1時間半もかかることも。しかし、固まれば色を落とすのは簡単で「これ、剥がれるんです。1時間半で作って1分で脱げます」と落とすのではなく、色を“脱ぐ”そうだ。