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「緊張で10日寝られなかった」“強気の男”田村が漏らした本音に見た、日本苦戦の理由

終わってみればボーナスポイントつきの勝ち点5を獲得しての白星スタートを切った日本代表。試合後のプレスルームでパソコンのキーボードを叩く手を、テレビから聞こえてきた選手のコメントに一瞬止めてしまった。

スタンドオフ・田村優【写真:Getty Images】
スタンドオフ・田村優【写真:Getty Images】

常に強気の発言を繰り返してきた男が漏らした極限の心理状態

 終わってみればボーナスポイントつきの勝ち点5を獲得しての白星スタートを切った日本代表。試合後のプレスルームでパソコンのキーボードを叩く手を、テレビから聞こえてきた選手のコメントに一瞬止めてしまった。

「ずっと緊張していました。緊張で10日くらい寝られなかった」

 決して不思議じゃない心理状態だが、手を止めるほど驚いたのは、その言葉の主がSO田村優だったからだ。2015年大会前から代表でプレーする田村だが、取材では常に強気の発言をしてきた。たとえば、試合5日前のコメントはこんなものだった。

「(ワールドカップで目指したい攻撃の形を聞かれて)試合を見てください」

「(前回大会の五郎丸の役割りを担うという質問に)僕、五郎丸さんじゃないので」

「(SOの出来がチームを左右すると思うが――という質問に)まずラグビーは15人でやるスポーツなんで」

 あまりにもうんざりする質問内容の影響もあったが、常に物怖じしない発言が、いまや田村のキャラクターとなっている。だが、この日は開幕戦に臨んだ心理状況を素直に語っていたのだ。

 もちろんこの日のプレーぶりを見れば、強気の発言を控えた理由がわかるはずだ。キックオフのボールを主将のFLリーチ・マイケルが捕球ミスすると、そのボールを背後のNO8姫野和樹がノックオン。そのミスが伝播したように、田村も自陣インゴールからのキックをロシア選手にチャージされ、直後のFBウィリアム・トゥポウの捕球ミスから先制トライに結び付けられた。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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