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ラグビー日本代表の若きキーマンに成長 25歳・姫野和樹が「読書」に取り組むワケ

ラグビーの文化が好きだと話す姫野【写真:mika】
ラグビーの文化が好きだと話す姫野【写真:mika】

姫野が語るラグビーの魅力「試合中にあれだけ激しいことして、殴り合いもしているのに…」

 最初に読んだ本は「海賊と呼ばれた男」(百田尚樹著)。出光興産創業者の出光佐三をモデルとした主人公・国岡鐡造の一生を描いた小説に「リーダー像がカッコいいなと思いましたね。すごく面白かったです」と声を弾ませる。この1冊をきっかけにリーダーシップ論について説く本や自己啓発本、小説などジャンルは問わず読書を続けている。最近読んでいるのは、同じく百田氏著の「日本国紀」だ。これを選んだ理由は、ある人物のアドバイスからだった。

【特集】ラグビー日本代表の若きキーマンに成長 25歳・姫野和樹が「読書」に取り組むワケ / ラグビー 姫野和樹選手(GROWINGへ)

「代表チームにいるメンタルコーチが『己を知る、先祖を知ることが強さに繋がる』という話をしていたんです。日本人はどういう種族なのか、どうして日本人の勤勉さや真面目さ、礼儀正しさが生まれたのか、どういう歴史が背景にあるのか。それを考えた時に『日本国紀』という本がいいかなと思って読んでいます。日本人は昔から続く育ち方や文化があるから、今の強さに繋がっていると思うと、すごく誇らしく思うし、もっと強くなった気がしますね」

 日本人であること、日本が持つ文化を誇りに思う姫野は、ラグビーの文化もまた愛してやまない。ラグビーは独自の文化として、試合後に「アフターマッチファンクション」という両チームの選手やスタッフ、レフェリーが参加する交歓会がある。軽食を楽しみながら、「ノーサイド」の精神に則り、「あのタックルにはやられた」「あのトライは最高だったな」といった具合に、敵味方関係なくお互いを称え合う場だ。ラグビーが持つ独自の文化に話が及ぶと、姫野は目に星のような輝きを浮かべながら、少年のような笑顔を見せて言った。

「本当にラグビーというスポーツが面白いって純粋に思いますし、ラグビーの文化が好きですね。仲間を大切にするとか、規律を守るとか、相手をリスペクトするとか、そういったことを公言しているスポーツはなかなかないと思います。試合中にあれだけ激しいことをして、殴り合いもしているのに、試合が終わったら一緒に酒を飲むとかね(笑)。ファンも敵味方関係なく一緒になって飲みますよね。そういうのがラグビーの魅力だと思うし、好きなところですね」

 試合が終わってしまえば「仲間」となれる文化が、全世界でラグビーが愛される理由なのだろう。9月20日から始まるワールドカップでは、姫野ら日本代表が大きく躍動する試合を、日本人ファンと海外からのファンが肩を組み合いながら応援する姿がそこかしこで見られるかもしれない。

(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)


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