渡邊雄太、“魂の34得点”のそばで…「自信を失った夏」から他の選手は何を得たのか
前回大会出場の竹内譲次「皆さんの期待と世界の壁に乖離」
今大会メンバーの12人で、前回出場した2006年大会を経験するのは竹内譲次と公輔の双子だけ。ファジーカス・ニックと並ぶ34歳となり、世界の壁を知らされた譲次は、8日に開いた選手ミーティングの一端を含めて語った。
「最後はいい形で結果を出したかったが、自分たちの期待、皆さんの期待と、世界の壁の高さに乖離があった。ニュージーランド戦をああいう形で終わって、今日はチームとしていいバスケットを作れた時間もあったけど、最後はモンテネグロとの力の差があったのかなと。
(選手ミーティングは)自信を持とうと。ニュージーランドにああいう負け方をしたけど、日本(の強化試合)では勝っている。俺たちの能力じゃないと。負けが続いていると自信が持てなくなってくる。八村、篠山が抜けた中で、ネガティブな要因が大きかったけど、それでも自信を持とうと。アジア予選で8連勝してきたのはここにいるメンバーだと。もう一度話し合って、もう一度何ができるかコートで出そうと。勝てなかったので、悔しさはもちろんありますが」
比江島慎は八村、渡邊が台頭する以前から日本の攻撃を引っ張ってきた得点源。小さい頃からスピードで劣ることを自覚し、独特のリズムによるステップを磨いてきた。この日も勇気を持ってアタックを仕掛けたが、強烈なブロックに阻まれた。7月は米国でサマーリーグに挑戦。この2か月間、世界を味わう日々だった。
「戸惑ってしまったのも事実ですし、改めてレベルの高さを感じた。(どういう夏?)自信を失った夏ですかね。またオリンピックへ向けて頑張ろうと、このままじゃダメ。下にもいい選手もいるし、自分が選ばれるかもわからないし、ハングリーさとかは得るものがあった。日本ではトップの方ではあるかもしれないけど、代表でやるためにはもっともっとやらなきゃいけない。今のままじゃダメだと気付かされた。それが唯一の収穫」
10日に帰国し、今後は所属チームでの新たな戦いが始まる。次に代表のユニホームにそでを通すのは、来年2月のアジアカップ。来年の東京五輪まで多くの時間が残されているとはいえない。13年ぶりに味わったW杯5試合で何を得たのか。それぞれが肝に銘じて過ごす日々が始まる。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)