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日本は本当に大丈夫なのか 「41失点」という数字に見た、W杯成否を占う分水嶺

本番のライバルに“手の内”を見せない戦い方

 おそらく、勝とうというマインドを持ちながらも、この夜のジェイミー・ジャパンは多分に“手の内”を見せない戦い方をしていたのだろう。もちろん、南アフリカではなく、この試合を戦しっかりと分析をしてくるプールAのライバルたちを意識していたのだ。

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 この試合で密かに期待していたのは、日本代表が南アフリカを30点台に抑えることができるかだった。今季のラグビー・チャンピオンシップで、ニュージーランド、オーストラリアを抑えて優勝を果たすなど好調の南アフリカ相手に、勝敗を別にして40点以内の失点なら、プールAのライバルにも、いい戦いができるだろうと考えていた。

 CTB中村亮土が、試合前の会見で「テストマッチは、2チームの合計得点が50点前後の争いになると思う。その中で、自分たちが何点取れるかの勝負」と語っていたが、実際の両チームの合計得点は48。この“中村理論”に準じて考えれば、ワールドカップでも相手の得点を25点以下に封じ込めなければスコアで上回れないことになる。

 結果的に、ぎりぎり40点台に達してしまったスコアは、いわば2週間後に始まる世界的イベントの成否を占う分水嶺のような数字だろう。終盤に、積極的にトライを狙った結果、切り返されて2トライを許したことを考えれば、手堅い試合運びなら失点は30点台で終われただろう。しかし、いかなるプロセスがあっても40点を超えているという事実は変わらない。期待度という針は、わずかに「厳しい」というサイドに傾いている。

 試合後にFLリーチ・マイケル主将は「この試合でティア1の圧力が、改めてわかったので、ワールドカップへの準備に関してはとてもいい試合だった。自分たちが何をやらないか、はっきりわかってきた。このチームは修正力は高いので、十分に時間はあります」と語っていた。41点という失点を30点台に下げることができるのか。

 繰り返すが、ここからが「時間との戦い」になる。

(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)


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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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