日本代表に何が足りないのか 南ア戦完敗に選手が痛感した「ティア1とティア2」の差
ラグビー日本代表は6日、「リポビタンDチャレンジカップ2019 南アフリカ戦」(熊谷ラグビー場)に臨み、7-41と大敗した。ワールドカップ(W杯)前の最終テストマッチでついた34点差。試合後、日本の選手たちは実際にグラウンドで体感した実力差以上の点差に驚きと落胆の様子を隠せなかった。
スクラムで善戦の稲垣「ディテールの差」、SO田村は「細かいところ」
ラグビー日本代表は6日、「リポビタンDチャレンジカップ2019 南アフリカ戦」(熊谷ラグビー場)に臨み、7-41と大敗した。ワールドカップ(W杯)前の最終テストマッチでついた34点差。試合後、日本の選手たちは実際にグラウンドで体感した実力差以上の点差に驚きと落胆の様子を隠せなかった。
司令塔として80分を戦い抜いた田村優は「ちょっとのところでチャンスを逃して、開いた扉が閉まりましたね」と独特の表現を使って、南アフリカの強さについて語り始めた。「ブレイクダウンの精度が足りなかった。足りないというか、1秒遅かったりとか本当にちょっとの差で(攻撃の)扉が閉まった」。さらに、攻撃の扉が開いていたところも「相手のパワーでごまかされた」と振り返り、「パフォーマンスも力も日本にはあると思うんですけど、ちょっとでもミスが起きたり精度が落ちると、そこをティア1のチームは逃さない。細かいところを見つめ直すいい機会かなと思います」と、最後まで神妙な面持ちを崩さなかった。
PRとして強固な南アフリカのスクラムに挑みかかった稲垣啓太は「早くセットしてプレッシャーを掛けられたことは良かった。抑える部分は抑えられた」と、セットプレーには手応えあり。だが、「ディテールの差でこれだけのスコア差が開いた。アタックしていく中で相手の22メートル陣内まで入って、ここであと一歩というところで、相手は確実に潰してきましたよね。相手はそれを狙っていましたし、狙ってきているのは僕らも分かっていた。でも、そこを確実に潰してくる、そのディテールの差を感じました」と敗因を分析している。相手の攻撃の芽を、小さなうちに確実に摘み取る南アフリカの戦法に気付きを得た様子だった。
主将のリーチ・マイケルが掲げた課題も、同じく「ディテール」だった。「自分たちのディテールがちょっと落ちた時(細かいプレーが雑になった時)にやられてしまった」と反省。だが、それを悲観するようなことはなく、「自分たちが何をやらなければいけないか、はっきり分かってきた」とかけがえのない教訓だと前向きに捉えている。20日の開幕戦ロシア戦まで残り2週間だが、この間の修正は可能だと断言。「このチームは修正能力が高いので、十分時間はあると思います。W杯を前に強い相手と、南アフリカと本当にやってよかったです。改めて世界の強さが分かりました」と真っ直ぐ前を向いた。
ワールドカップ(W杯)2大会連続のキャプテンが断言する、日本代表の持つ高い修正能力は、どれほど威力を発揮するのか。20日ロシア戦に向けてお手並み拝見といきたいところだ。
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)