“小さい日本”がW杯で知った現実 世界が弱点と見た「サイズ問題」に必要な一手
バスケットボールのワールドカップ(W杯・DAZNで生配信)で1次リーグ敗退が決定している世界ランク48位の日本は5日、同1位・米国との第3戦(上海・東方体育中心)を行い、八村塁(ウィザーズ)がわずか4得点に終わるなど、45-98で3戦全敗の屈辱を味わった。八村や渡邊雄太(グリズリーズ)の存在が強化試合でも脚光を浴び、過去最高に期待が膨らんでいただけに喪失感を味わったことは拭えない。トルコ、チェコとの2試合を含めて3戦合計273失点。7日からの順位決定戦に臨む前に、改めてディフェンス面の課題が浮き彫りとなった。
W杯3連敗でディフェンスに課題、当たり負けしない強さで「史上最強」の更新を
背が低い。パワーが足りない。ほとんどのスポーツで日本が抱えてきたサイズ問題。バスケ界においても永遠のテーマなのだろうか。
バスケットボールのワールドカップ(W杯・DAZNで生配信)で1次リーグ敗退が決定している世界ランク48位の日本は5日、同1位・米国との第3戦(上海・東方体育中心)を行い、八村塁(ウィザーズ)がわずか4得点に終わるなど、45-98で3戦全敗の屈辱を味わった。八村や渡邊雄太(グリズリーズ)の存在が強化試合でも脚光を浴び、過去最高に期待が膨らんでいただけに喪失感を味わったことは拭えない。トルコ、チェコとの2試合を含めて3戦合計273失点。7日からの順位決定戦に臨む前に、改めてディフェンス面の課題が浮き彫りとなった。
シュート精度、ターンオーバー(攻撃時にボールを奪われること)の多さ、不動のPG富樫勇樹がケガによる不在、大舞台の経験値……。3連敗に多くの理由があった中、八村が強化試合から今大会を通して何度も口にしていた課題が「ディフェンスとリバウンド」だった。
フリオ・ラマス監督もチェコ戦後に「W杯で1勝でも挙げるためには(チェコ戦の)89失点は多すぎ。そこは抑えなければならない」と言及。ダブルスコアで大敗した米国戦後にも「我々がやるべきことは、フィジカル面、身体能力の強化、それを使ったコンタクト(接触)の改善」と一貫していた。
トルコ戦のリバウンド総数は26-44で空中戦で惨敗した。チェコ戦は34-35と互角だったが、オフェンスリバウンドは8-14の大差。ターンオーバー数も14-5と劣勢の要因となり、相手にボールを奪われ続けて自分たちのシュートチャンスを減らした。面白いようにパスを回された米国戦は、リバウンド以外でも圧倒的な差を見せつけられたが、空中戦も総数33-58と大敗だった。
リバウンドやブロックを得意とする八村は奮闘したが、チーム全体を見れば日本のフィジカルレベルは世界に比べて劣っていた。激しいコンタクトの連続で体力を消耗するのは必然。“走り負けない”という日本の強みにも天井が見えてしまう。八村が「ずるずるいってしまった」という通り、チェコ戦後半に失速した理由の一つが体格差だった。
跳躍力、手の長さなども影響するため、単純に身長だけで高さを示すことはできないが、バスケにおいてサイズが攻守両面で大事な要素であることには違いない。チームの連係、個々のテクニックも失点の原因になり、高さ以外でもディフェンス面の改善はできる。だが、体格で上回ればプレッシャーをかけてミスを誘うことも可能。逆に日本はプレッシャーをかけられないこともあり、今大会は3ポイントシュートを多く決められて大量失点につながった。
トルコ戦後、チェコメディアに日本の弱点について直撃すると「リバウンドだと思う。W杯のような試合では、リバウンドが大きな要因になる。これが一番大きな弱点。彼らのシュートは良い。サイズの問題だと思う」と断言していた。体格差は他国も認識する日本の“苦手分野”なのだろう。