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「カギは初戦のロシア戦」 8強へ、4年前の奇跡を知るホラニ龍コリニアシが強調するワケ

9月20日に開幕するワールドカップ日本大会開幕まで、2週間あまりに迫った。サンケイスポーツで20年以上にわたり楕円球を追い続けたラグビー・ライター吉田宏氏が、日本ラグビーを牽引し続けてきたレジェンドたちの、日本代表、ワールドカップ成功への熱い思い、提言を綴る毎週水曜日の連載「楕円の軌跡―レジェンド・トーク2019」。

前回大会までNO8として活躍したホラニ龍コリニアシ氏【写真:Getty Images】
前回大会までNO8として活躍したホラニ龍コリニアシ氏【写真:Getty Images】

ラグビーW杯開幕まで16日、連載「楕円の軌跡―レジェンド・トーク2019」第13回は前回大会までNO8として活躍したホラニ龍コリニアシ氏

 9月20日に開幕するワールドカップ日本大会開幕まで、2週間あまりに迫った。サンケイスポーツで20年以上にわたり楕円球を追い続けたラグビー・ライター吉田宏氏が、日本ラグビーを牽引し続けてきたレジェンドたちの、日本代表、ワールドカップ成功への熱い思い、提言を綴る毎週水曜日の連載「楕円の軌跡―レジェンド・トーク2019」。

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 第13回は、前回大会までNO8として活躍したホラニ龍コリニアシ氏が、日本代表にエールをおくる。前回のイングランド大会翌年で桜のジャージーを脱ぎ、今春でパナソニックでの現役生活にもピリオド打ち、チームのFWコーチに就任。現役時代は味わえなかった念願のビール片手のワールドカップ観戦で、ジェイミー・ジャパンの躍進を見届ける。

 ◇ ◇ ◇

 トンガ伝統の入れ墨の中に彫り込んだ「大和魂」の3文字が自慢と誇りだ。南太平洋のトンガ王国から、FLリーチ・マイケル主将と同じく、中学卒業後に来日した。母国の中学校ではトロンボーンを吹いていたおとなしい少年は、日本が誇る“8番”に成長して、常に桜の戦士たちを鼓舞して引っ張ってきた。

 日本大会開幕がカウントダウンに入る中で、同世代のLOトンプソン・ルークが今春から代表復帰を果たし、ワールドカップメンバーにも選ばれた。ともに4年前の快進撃を支えたホラニ氏も、日本での夢舞台に立ちたい衝動が起きてもおかしくない。出場したい思いがあるのかを聞いてみたが、その答えは予想外のものだった。

「不思議と、やりたいという気持ちがないんですよね。逆にいうと、もうファンですよ。楽しみでしようがない」

 晴れやかに笑うホラニ氏だが、実は、すでに4年前にワールドカップへの挑戦にはピリオドを打っていたのだ。

「僕は前回(のワールドカップ)が終わった時点で、みんなの前で『次はビール飲みながら応援するから』と言い切っちゃった。(最終戦の)アメリカ戦の後ですね」

 まだ他の選手に負けていないという自負はあった。だが、2大会、通算8年も満足に相手をしてやれなかった家族のことを考えると、南アフリカからの金星と大会3勝という成績は、最高の“ひと区切り”という達成感があった。自然に「応援する」というワールドカップ引退宣言が口を突いた。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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