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大野将平はどこまで強くなるのか 「何の驚きもない」世界一に見た“絶対王者の神髄”

男子代表の井上康生監督「隙がなくなってきた」

 まるで重圧を弄ぶかのような落ち着きぶり。決勝は1分17秒で華麗な内股を決めて一本。オール一本勝ちで貫録を見せつけた日本の絶対王者に、観戦に訪れた大相撲の横綱・鶴竜、照ノ富士らも立ち上がって拍手を送った。


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 13年世界選手権で初優勝。14年は4回戦で敗れたが、15年に王座奪還を果たした。五輪イヤーの16年も金メダルで世界一の座を守り、以降は天理大大学院の修士論文に集中するため、実戦を離れた。18年2月のグランドスラム(GS)デュッセルドルフで本格復帰。休養期間中の17年世界選手権では、橋本壮一(パーク24)が優勝で台頭してきたが、その間も己に集中して真っ向から組み合う正統派スタイルに磨きをかけてきた。

 復帰から日の浅い前回世界選手権は代表落選したが、昨夏のジャカルタ・アジア大会を制し、徐々に状態を上げてきた。11月のGS大阪、今年2月のGSデュッセルドルフをともにきっちりと優勝。4月の全日本選抜体重別選手権では、準決勝で66キロ級五輪2大会連続銅の海老沼匡(パーク24)を、決勝で橋本を倒しきった。アジア大会から負けなしと絶対王者の貫禄を取り戻した。

 3年前のリオ五輪でも、すでに金メダルの本命だった。常に強さを追い続ける男は「求道者」と称されることも多い。では、リオからの3年、大野という柔道家はどれだけ強くなったのだろうか。「リオの自分と今の自分の違いはどこか」という問いにこう答えた。

「難しい質問ですねぇ。自分が一番知りたいですね。教えていただきたいです、逆に。わかりません、現状では。それは来年までに答えを出せたらいいなという風に感じています」

 男女7階級の柔道で東京五輪に出られるのは1人ずつ。今大会優勝者が11月のGS大阪を制し、強化委員会出席者の3分の2以上の賛成を集めれば東京五輪代表となる。代表が決まらなかった階級は、来年2月までの主要国際大会終了時点の実績で判断され、最終選考会は4月の全日本選抜体重別選手権となる。

 海老沼、橋本ら五輪争い最激戦区となる73キロ級。右組み手から繰り出す豪快な内股や大外刈りで一本を狙う日本柔道を体現していた27歳が、連覇のかかる五輪の切符獲得へリードしたが、慢心なんてかけらもない。

「73キロ級の戦いは道半ばなので。満足はしない。(五輪2連覇は)簡単ではないと理解している。もう一度、引き締め直してこの場に戻ってきたい。他の選手よりも上のステージで戦っていきたいです」

 試合後、男子代表の井上康生監督が言った。「隙がなくなってきた」。本当にその通りだ。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)




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