「ベスト4は不可能じゃない」 2大会連続主将・箕内拓郎が日本代表に期待する根拠
ホーム・アドバンテージが必ず力に「100%以上のものを出せる」
そして、2度のワールドカップの経験から、箕内氏は日本大会での強力なアドバンテージを確信している。
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「僕もワールドカップに出場して実感したのは、応援からすごいエネルギーをもらえることなんです」
オーストラリア、フランスが舞台だった箕内主将のワールドカップ。中でも2003年オーストラリア大会での経験が、いまも脳裏に焼き付いている。日本代表は、オーストラリア北東部の町、タウンズビルでプール戦全4試合中3試合を戦った。悪くいえば、日本のようなティア2国は、シドニーやブリスベンの巨大スタジアムでは集客力が弱い。こぢんまりとした町での試合を押し付けられたようにも見えたが、タウンズビルの住人たちは地球の裏側からやってきた日本代表を、あたかも地元チームのように熱烈な応援でサポートした。
肌の色こそ違うが、日の丸のハチマキを締めて、選手のパス、ランに立ち上がって熱狂し、ノックオンには頭を抱えて悔しがった。このホームのような応援ぶりに後押しされ、日本代表も完敗という下馬評だったスコットランドを相手に、一時は4点差に迫る熱戦で応えた。試合翌日の地元紙にも、日本が負けたにもかかわらず“BRAVE BLOSSOMS (勇敢な桜の戦士たち)”の見出しが躍った。
「代表でプレーしていて、あんな応援をしてもらったことがなかった。そりゃエナジーをもらえるし、体の中から湧き出てくるものがありましたね。自分たちの力以上のものを出せたんです。それが自国開催だと、どれくらいのエネルギーに変えられるか…。選手は100%以上のものを出せると思います。そういうものが上手く噛み合ったときに、僕はベスト4も不可能じゃないと思います」
箕内氏が思い浮かべるのは、タウンズビルが完全にホームに転じたあの熱気をさらに上回る日本のスタジアムでの応援のパワーだ。対戦相手の15人以外は、すべて日本代表を応援するような環境の中で迎える完全ホームでのワールドカップ。伝説のスキッパーは、桜のジャージーの後輩たちが名実ともにBRAVE BLOSSOMSとして決勝トーナメント進出という凱歌を上げる日を待ちわびている。
箕内 拓郎(みうち・たくろう)
1975年12月11日福岡県北九州市生まれ。現役時代のポジションはNO8、FL。6歳でラグビーをはじめ、八幡高2年でSOからNO8に転向。関東学院大に進学して、主将だった4年で大学選手権初優勝。同大卒業後にオックスフォード大に留学して、ケンブリッジ大との定期戦バーシティマッチに、日本人では2人目となる出場を果たし“ブルー”の称号を受ける。帰国後にNECに入社して日本選手権優勝などに貢献。2006年に世界選抜に選ばれて、南アフリカ代表戦に出場。2014年シーズンで現役を引退して、NTTドコモ―日野でFWコーチを歴任。
(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)