神野大地がプロ短距離コーチと異例タッグ! 東京五輪へ決断「プロならではの挑戦」
神野が実感する進化「今までになかった感覚。少しずつ変わっていっている」
長距離選手を短距離出身選手が指導するのは異例の試み。しかし、秋本氏は「速度や動作の大きさは違いますが、短距離も長距離も走りの基本は同じです。着地した瞬間の姿勢、ポジションの取り方に大きな差はないです」と言う。現役時代、0.01秒を縮めるために注ぎ込んできた経験はもちろん、最先端の動作解析のデータを駆使しながら、短距離のメソッドを注入していく。
多くの大学陸上部は長距離、短距離部門が分かれており、それぞれの指導システムが独立していた。42.195キロを走り抜く一歩一歩のエネルギーを最小化することが短距離のノウハウを駆使して実現できれば、陸上界にとっても価値は大きい。現在、神野は月に1、2度のペースで指導を受け、練習中に撮影した動画を通じて助言をもらうなど、精力的に教えを生かそうとしている。
5月は1万メートルとハーフマラソンに出場したが、まだまだ発展途上の段階という。神野は「今まではとにかく足を前に広げようと意識して、接地でロスしていた部分を指摘してもらい、地面の反発をもらって進んでいく走りを意識している。今までになかった感覚。少しずつ変わっていっていると思う」と確かな進化を感じ取り、さらなる高みを見据えている。それが9月のMGCだ。
「トレーナー、栄養士さんも含め、専門分野のスペシャリストと『チーム・神野』として東京五輪を目指すことができている。あとはどれだけモノにできるかは自分次第。みんなで力を合わせて一つの成果を残せたら」と意気込み、伊藤氏も「考え方もアスリートとして素晴らしい。東京五輪を目指して競技力を高めるサポートができたら」と全力のサポートを約束した。
(THE ANSWER編集部)