全日本選手権・女子SP

　フィギュアスケートの2026年ミラノ・コルティナ五輪代表最終選考会を兼ねた全日本選手権が19日、東京・代々木第一体育館で開幕した。女子ショートプログラム（SP）で、ジュニアの島田麻央（木下グループ）が79.33点をマークして2位発進。年齢制限で五輪には出られない17歳が、首位の坂本花織（シスメックス）と0.1点差で21日のフリーを迎える。ジュニアとは思えない高得点に、現役選手も驚きの声を上げた。

　ジュニア最強女王が存分に輝いた。冒頭のトリプルアクセルを鮮やかに着氷。「思い切って跳ぶことができたのが成功に繋がったんじゃないかな」。両手をあげての3回転フリップも成功。基礎点が1.1倍になる演技後半にはルッツ─トーループの連続3回転も決め、「表現も去年よりできるようになったかなと思う」と胸を張った。

　2008年10月30日生まれの17歳。得点が表示されたとき、テレビインタビューを受けていたSP6位の渡辺倫果は思わず「えええー、エグぅ！」とビックリ仰天。目を丸くして「ジュニアやっけ…？」「ちょっと勘弁していただきたい」と苦笑いを浮かべるほかなかった。

　世界ジュニア選手権3連覇などジュニアで敵なしだが、「五輪前年の7月1日時点で17歳以上」という国際連盟（ISU）の年齢制限に阻まれ、ミラノ・コルティナ五輪の出場資格がない。名前の由来となった浅田真央さんが2006年トリノ五輪に出場できなかったのと同じ境遇だ。

　同じ17歳だが、4月生まれで五輪の出場資格がある中井亜美は、島田とジュニアで切磋琢磨してきた間柄。「麻央ちゃんが79点を出したときは凄くビックリした」と振り返った。中井も77.50点の高得点で3位。「（島田は）自分よりまだ遥かに遠い存在だと思う。こうやって全日本で上位を争えることがうれしいし、大切なこと」と喜んだ。