「喧嘩したわけじゃないよ(笑)」 右目失明ランナーがラクダ擁護、不利でも42.195kmを走る理由【東京世界陸上】
陸上・世界選手権東京大会第3日の15日、国立競技場発着のコースで男子マラソンが行われた。フライングや同タイムでの金、銀決着など様々な見どころがあった42.195キロ。右目が見えないスルダン・ハサン(スウェーデン)が、2時間11分18秒で14位と力走した。(取材=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)

東京世界陸上第3日
陸上・世界選手権東京大会第3日の15日、国立競技場発着のコースで男子マラソンが行われた。フライングや同タイムでの金、銀決着など様々な見どころがあった42.195キロ。右目が見えないスルダン・ハサン(スウェーデン)が、2時間11分18秒で14位と力走した。(取材=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)
スローペースで推移した20キロ付近、ハサンは果敢に前に出た。世界の強豪を従えてトップを力走。最終的には14位となったが、確かな手応えが残る大舞台だった。
「まずまずだったね。ベストを尽くしたし、先頭集団で可能な限り良い走りをしようと心掛けたよ」
右目の視力がないハサン。テレビ中継では子どもの頃にラクダが原因で失明したというエピソードが紹介された。レース後のミックスゾーン。THE ANSWERの取材で真相が明らかになった。
「ラクダと喧嘩したワケじゃないよ(笑)。基本的には遊んでいたんだ。喧嘩していたら負けていたよ」
棒を持ってラクダと遊んでいた4歳くらいの頃。「ラクダを動かそうとしたら、(棒が)跳ね返って運悪く目に入ってしまったんだ」。ラクダに襲われたのか、と問われると「いやいやいや、ラクダはとても人懐っこいんだ」と擁護した。
右目が見えない影響はある。「誰かが右側にいると何も見えないんだ。だから、見るために頭を動かさないといけない。もちろん不利だよね」。今大会も右側に置かれた給水では苦労があったことは間違いない。
不利だと分かっていながら、なぜ42.195キロを駆けるのか。
「スポーツが好きからさ。以前はサッカーをやっていたんだけど、先生にマラソンをするように言われたんだ」
今年3月の東京マラソンではスウェーデン記録の2時間5分57秒で8位。半年後、メダル争いには絡めなくても、ハサンは確かに輝いていた。
(THE ANSWER編集部・戸田 湧大 / Yudai Toda)
![[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト](https://the-ans.jp/wp-content/themes/the-answer-pc-v2/common/img/logo_c1.png)











