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19歳で4勝も迷走「悔しい、苦しい、焦り…」 2年ぶりV櫻井心那、“感覚重視”脱却で動き出した時間

キャディーを務めた吉田弓美子と話す櫻井心那(右)【写真:柳田通斉】
キャディーを務めた吉田弓美子と話す櫻井心那(右)【写真:柳田通斉】

転機となったコーチとの出会い

 優勝争いに絡む機会も少なくなり、悩みが深くなった頃の昨年10月、松山英樹らのコーチを務めてきた目澤秀憲氏と出会い、状況が変化。持ち球もフェードに戻し、スイング理論を学び、トレーニングやケアの大切さも教えられていた。

「私、ゴルフに詳しくなかったのでスイング理論を言われても、よく分かりませんでした。でも、何度も教えていただき、今は理解できています。アプローチもヘッドを上から入れられるようになり、スピンコントロールが効くようになりました」

 そして、今週は目澤氏の「高校時代にもらったパター」を借りて出場。自身が求めていたフィーリングが出始め、バーディーを量産していった。

 勝てなかった24年シーズンには、同世代の竹田麗央が一気に8勝を飾って米ツアー出場権を獲得した。櫻井は23年シーズン終了時点で「早く海外でプレーしたい」と公言していたが、24年にはそれを言える状況ではなくなった。当時の感情を問われると、隠さずに言った。

「悔しい、苦しい、焦りとかがありました。このままでは海外でするのに『時間がない』とも思いましたし、今も思っています。もっと、『うまくならないとな』と」

 早く海を渡りたい気持ちは今もある。そして、「長く辛かった時間」を乗り越えての1勝。これを機に来年の米女子ツアー予選会を受けるかを問われると、「え~っ、あっ、フフ、考えときます」と言い含みを持たせた。

 その前に達成したいこともある。9月以降のソニー日本女子プロ選手権、日本女子オープンといった国内メジャー戦のタイトルを獲得することだ。

「来週は所属のニトリレディスもありますし、これから私にとって大きな試合が続きます。また、優勝したいです」

「感覚重視」で勝ちまくっていた天才は、大きな壁に当たって、悩み、学んで新たな1勝を手にした。自身も「この優勝の価値は大きい」と言った。まだ21歳。櫻井はこれから竹田の背中を追うべく、エンジンを全開にしていく。

(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)


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