井上尚弥とのスパーで感覚が“麻痺” 「鉄の拳」中野幹士が2回TKO勝ちで圧倒「来ると思って避けたら…」
ボクシングの128ポンド(約58.05キロ以下)契約ノンタイトル10回戦が2日、東京・後楽園ホールで行われ、東洋太平洋フェザー級王者の中野幹士(帝拳)がジン・アグアン(フィリピン)に2回1分50秒でTKO勝ちした。5月に行われた米国デビュー戦からの凱旋試合。井上尚弥(大橋)のスパーリング相手を務める中野が圧倒的な力の差を見せつけた。戦績は30歳の中野が14勝(13KO)、32歳のアグアンが7勝(5KO)3敗。

ジン・アグアンを追い込み連打…井上との練習で生まれた余裕
ボクシングの128ポンド(約58.05キロ以下)契約ノンタイトル10回戦が2日、東京・後楽園ホールで行われ、東洋太平洋フェザー級王者の中野幹士(帝拳)がジン・アグアン(フィリピン)に2回1分50秒でTKO勝ちした。5月に行われた米国デビュー戦からの凱旋試合。井上尚弥(大橋)のスパーリング相手を務める中野が圧倒的な力の差を見せつけた。戦績は30歳の中野が14勝(13KO)、32歳のアグアンが7勝(5KO)3敗。
「鉄の拳」を光らせた。中野は異名の通り、初回から鋭い左フックを顔面に浴びせ、相手をぐらつかせた。2回には強力なボディーを放ち、「ドスッ」と鈍い音を響かせた。嫌がる相手をコーナーに追い込み連打。アグアン陣営が棄権を申し出て試合終了となった。
完全勝利を収めた中野。試合内容には反省点が多かったようで「最初は自分の動きが硬かった。緊張感に欠けていたのだと思う。世界ランカーや強い相手だったら流れを持っていかれる可能性がある」と口にした。驚異的なスピードを誇る井上とスパーを行っていたため「来ると思って動いたら、動いたところに(パンチが)来る感じのスピード感だった」と笑いながら話した。井上基準の練習で感覚が麻痺し、なおかつ独特な動きをする相手にやりづらさを感じる場面があったという。
井上とのスパーも、数日休んだ後に再開予定。「怪我もなかったのですぐに練習をする」と説明した。世界ランキングはWBC6位、IBF8位、WBO10位、WBA11位に就いており「一戦一戦、落とせる試合はない。必死にやります。これから世界チャンピオンを目指してやっていかないといけない。強い相手に勝っていく」と力を込めた。
また、リング上のインタビューでは、この日に誕生日を迎えたという母に祝福のメッセージを送った。「おめでとう!」と拳を振って笑顔を見せた。
中野は昨年9月に東洋太平洋王座を獲得し、今年1月に初防衛に成功した。前戦は5月に米ネバダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナに行われたフェザー級10回戦で、元WBO北米同級王者ペドロ・マルケス(プエルトリコ)に4回1分58秒TKO勝ち。井上の大型興行の前座で、ダウン経験のない相手から5度もダウンを奪い、鮮烈な米デビューを飾っている。
(THE ANSWER編集部・澤田 直人 / Naoto Sawada)
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