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敗戦でも光った日本ハンドボール界の若き才能 徹底マーク翻弄、藤坂尚輝12得点でプロの意地【リーグH】

両チーム最多の12得点をあげた藤坂尚輝【写真:中戸川知世】
両チーム最多の12得点をあげた藤坂尚輝【写真:中戸川知世】

将来的に海外移籍を視野も「今は大同で日本一に」

 大差をつけられた後半、藤坂は再びスタンドを魅了する。「こんな大差の試合を見せられたら楽しくないだろうから」と観客を意識。股下シュートの奇襲を披露し、縦パスを空中のCB可児大輝に通す難度の高いスカイプレーもみせた。「いろいろとアイデアが頭に浮かんだので、やってみました。お客さんも少しは喜んでくれたと思う」。プロハンドボーラーとしての意地をみせた。

 23年の世界ジュニア選手権得点王。日本は19位に終わったが、世界レベルの得点力をアピールした。昨年のパリ五輪では、日本代表公式戦経験がないままメンバー入り。昨年12月に大同入りし、すぐに絶対的なエースになった。藤坂が「憧れの選手だった」と話す末松監督はその才能を絶賛し「試合中も、藤坂が成長することだけを考えている」とまで口にした。

 福井・北陸高から日体大を卒業したが、これまで日本一の経験はない。将来的には海外移籍も視野に入れながらも「今は大同で日本一になることが目標です」。日本リーグ最多18回の優勝を誇るものの、最後の優勝は14年。「まずはリーグHで成長して、チームを優勝させたい」と言い切った。

 昨年から「ほとんど休みなくハンドボールをしている」と話す藤坂。リーグ戦は終わったが、来週には日本代表合宿、さらにソウルでの日韓戦(21日)が待つ。「日本代表でも活躍して、しっかりと定着したい」と話し「来年は名古屋でアジア大会もあるので、そこでも勝ちたい」と代表にも意欲をみせた。

 ボールを持つだけでファンをワクワクさせるようなプレーが藤坂の持ち味。スタンドからは「藤坂のプレーを見ることができて、今日は来たかいがあった」という声がもれる。リーグH、日本代表、藤坂のゴールが、日本ハンドボールを熱くする。(荻島弘一)

(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)


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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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