「外国籍に負けない」フィジカルとバスケIQ 名門加入の22歳逸材、プロ4か月で得た進化の糧
今オフに右膝の手術を決断、来季は「もっとレベルが上がる」
チームは今季、18勝42敗というBリーグ開幕以降ワーストの成績に沈んだが、「歴史のあるチームだからこそ、勝てる時期もあれば勝てない時期もある。良い経験をさせてもらっています」と意に介さず。主にベテラン勢が面食らったというロネン・ギンズブルグヘッドコーチのハードな練習も「ちょっと驚きましたが、僕に合っているスタイルだと思ったのでどんどん頑張ろうという気持ちでした」とむしろ喜んだ。
プライベートな時間を取れない過密日程も、初めての外国人コーチとのコミュニケーションも、すべてが新鮮で楽しかった。
課題は山ほど見つけられた。より積極的にアタックすること。ペイント内でのフィニッシュ力を向上させること。3ポイントシュートの精度を上げること。特に3ポイントシュートは打つ場所によらず、平均的に決められるようになりたいと話す。
「シーズン中も毎試合映像を見てフィードバックしていましたが、場所によってけっこう確率が違うので、改めて映像を見返しているところです。自分がどういうシチュエーションでシュートを打っているのかをしっかり分析して、イメージして、あとは練習あるのみ。考えすぎると積極的にプレーできなくなるタイプなので、まずはやってみて、ミスをしたら修正すればいいかなと。トライ&エラーをもっとやっていかないとなって思っています」
今オフは右膝の関節内遊離体の手術を実施。高校時代から悩まされてきた痛みを精算して新シーズンを迎えられそうだという。すでに図抜けた跳躍力や瞬発力を誇る選手だが、来シーズンはさらにパワーアップする可能性があるのか。そう尋ねると、山内ははにかみながらも「もっとレベルが上がると思います」と言った。
「来年はもう、日本代表に絡んでいけるような選手になりたいです。チームでも主力として、プレーだけでなく、今何をすることが大事なのかをまわりに伝えられる選手になりたいと思っています。やっぱり勝ちたいし、勝つためにはしっかりコミュニケーションを取れる選手にならないといけないと思っているので」
オールラウンドなスキル。ゲームコントロールを担えるレベルのバスケットボールIQ。「外国籍に負けない」と胸を張って言い切れるフィジカル。たくさんの“欲しいもの”を貪欲に求め続けた未来はどのような選手になっているのか、とても楽しみな選手だ。
(後編へ続く)
■山内ジャヘル琉人 / Jaheru Ryuto Yamauchi
2002年12月5日生まれ、沖縄県出身。190センチ・96キロ。小学1年生でバスケの魅力に取りつかれると、高校は遠く離れた宮城県の強豪・仙台大学附属明成高に進学する。3年時のウインターカップで優勝に貢献、自身も大会ベスト5に選出された。大東文化大でも1年時から活躍すると、2024年11月に特別指定選手(プロ契約)として川崎への加入が決定。Bリーグ1年目のシーズンで先発2回を含む34試合に出場した。
(青木 美帆 / Miho Aoki)
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