「まだ現役なのに…」 遅咲き28歳で柔道全日本制覇、香川大吾が味わった悔しさ「次の五輪は狙います」
ウルフは3回戦敗退、阿部一二三や永山竜樹ら軽量級勢にも脚光
9連覇の山下、7回優勝の小川直也に次ぎ鈴木桂治とともに4回の優勝を誇る「ミスター全日本」王子谷剛志(旭化成)は、初戦の2回戦で敗れて「全日本はこれが最後」と大会からの「引退」を宣言。なかなか世界で結果が出せず、五輪出場もかなわなかったが「全日本があったから、ここまで続けられた」と大会に感謝した。
19年覇者のウルフ・アロン(パーク24)は、3回戦で敗退。6月の全日本実業団での引退前に最後の個人戦だっただけに「もっと上を目指してやっていたので、悔しい」。それでも、スタンドから大きな拍手を受けて「こんなに大勢の人に見られながら試合をするのは全日本選手権だけ。最後にここで試合ができたことを、大きな財産にしていきたい」と惜別の思いを口にした。
大会を沸かせたのは、重量級の選手だけではない。いや、今大会には軽量級の選手たちにスポットが当たった。最も注目されたのは66キロ級で五輪を連覇した阿部一二三(パーク24)の初出場。スタンドで見守る妹の詩の前で「柔よく剛を制す」柔道の魅力を発信した。
初戦の1回戦は81キロ級の佐藤祐治郎(山形県警)に1分23秒、袖釣り込み腰で豪快な一本勝ち。2回戦では120キロの鈴木太陽(天理大)と対戦した。倍近い体重の相手を果敢に攻めたが「重量級と組むと指が飛んでいくくらい痛かった」。左手の指からの流血で試合が2度中断する中、息詰まる攻防が続いた。
残り57秒。技をかけ続けて「攻勢点」を稼ぎ、判定に持ち込むこともできたが「旗判定はセコい。自分らしく投げたかった」。思い切り仕掛けた大内刈りを返され、押しつぶされるように一本負け。大きな拍手を浴びて畳を降りると「勝負出来てよかった。この舞台に立ててすごく幸せ。柔道が好きだと感じました」と話した。
歓声と悲鳴が渦巻いたのが、パリ五輪60キロ級銅メダリスト永山竜樹(パーク24)の1回戦。相手は110キロ超級の入来巨助(筑波大)で、大会登録体重は最軽量の65キロと最重量の160キロ。背負い投げをしかけ、ともえ投げでは相手の巨体を浮かせる場面もあったが、1分44秒に払い腰で一本負け。「重たすぎて動かなかった。失敗したら殺されると。本当に、死を覚悟しました」と笑った。
パリ五輪73キロ級銅メダルの橋本壮市(パーク24)は1回戦で105キロの福永夏生(山口県警)を旗判定、2回戦で81キロの菅原幸大(SBC湘南美容クリニック)から技ありを奪って2勝の快挙。3回戦で130キロの木元拓人(日本製鉄)に一本負けしたが「目標は準々決勝だったが、この大会に挑戦できたことに意味がある」と、7年ぶりに出場した夢舞台を振り返った。
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