なぜ、ナダルは愛されるのか 15人のレジェンドが明かす「帝王」の神髄と一流の流儀
神童時代に対戦したキャッシュ「私は彼に負けた。彼は14歳で私は35歳だった」
■「1985年のボリス・ベッカー以来、ここまで圧倒的な選手を私は記憶していない」――ジョン・マッケンロー氏(米国=グランドスラム7勝)
悪童として現役時代に有名だったマッケンロー氏はグランドスラム6勝のベッカーを引き合いに出し、ナダルの衝撃的な強さを分析した。
■「私は彼にエキシビジョンマッチで負けた。彼は14歳で私は35歳だった。でも、私は未来のローラン・ギャロスの王者に負けたと思うと、気分を取り戻せたよ」――パット・キャッシュ氏(オーストラリア=1987年ウィンブルドン優勝)
神童時代に対戦したキャッシュ氏は21歳下の少年に苦杯を舐めた経験を粋な表現で回想している。
■「ナダルの強さの一つは、彼がすごく謙虚だということだ。あんな偉業を達成をしているのに、驚きだよ。彼は自分の偉業をひけらかしたりしない。彼は常に全てを勝ち取らなければいけない義務があると、プレーで感じさせてくれる。1試合1試合、1ポイント1ポイントというようにね。それが彼の天才性の一つだ。あぐらをかいたりしてはいけないと自分に言い聞かせている」――ジム・クーリエ氏(米国=1991、92年全仏連覇)
ナダル同様、ローラン・ギャロスで強さを誇ったクーリエ氏は人間性の素晴らしさを紹介。さらに「彼は赤土の5セットマッチで負けたことは1度しかない。どれだけフィジカル面を突き詰めているかがわかる。3セットでナダルに勝つことだけでも大きなチャレンジなのに、5セットマッチで勝とうとすることは男子テニス史上最大の挑戦と言えるよ」とクレーの帝王に感服している。
■「彼のムーブメントは信じられないほどすごい。彼は走りながら自分のショットを修正できる。あんなのは見たことないよ」――ピート・サンプラス氏(米国=グランドスラム14勝)
今回で四大大会勝利数を抜かれたサンプラス氏は走りながらでもショットを修正できるというプレーヤーとしての非凡さを表現した。