なぜ、ナダルは愛されるのか 15人のレジェンドが明かす「帝王」の神髄と一流の流儀
テニスの全仏オープンで史上最多となる10度目の優勝を果たしたラファエル・ナダル(スペイン)。決勝では、スタン・ワウリンカ(スイス)を6-2、6-3、6-1でストレートで圧倒し、「ラ・デシマ」(スペイン語で10度目)と呼ばれる偉業を達成した。前人未踏の域に到達した「赤土の帝王」の足跡を大会公式サイトが特集。フェデラー、アガシ氏、サンプラス氏ら、伝説のライバルと名選手15人の証言で振り返っている。
ナダルを一流たらしめるものとは…フェデラー、アガシ氏ら現役&OBの証言で辿る足跡
テニスの全仏オープンで史上最多となる10度目の優勝を果たしたラファエル・ナダル(スペイン)。決勝では、スタン・ワウリンカ(スイス)を6-2、6-3、6-1でストレートで圧倒し、「ラ・デシマ」(スペイン語で10度目)と呼ばれる偉業を達成した。前人未踏の域に到達した「赤土の帝王」の足跡を大会公式サイトが特集。フェデラー、アガシ氏、サンプラス氏ら、伝説のライバルと名選手15人の証言で振り返っている。
■「全仏オープンの決勝でラファと対決するということは、テニス界で直面する最大の挑戦かもしれない。彼はクレーでは史上最高の選手なんだ」――スタン・ワウリンカ(スイス=グランドスラム3勝)
まず登場したのは、今大会の決勝で対戦した15年全仏覇者・ワウリンカだ。完敗を喫したスイスの英雄の言葉通り、ナダルは決勝進出10度ですべて優勝、V確率100%と無類の強さを誇る。ナダルとのローラン・ギャロスの頂上決戦は、テニス界最大の難業ということだろう。
■「テニス界はこんな男をずっと待ち望んでいたんだ。ナダルはすべてのポイントに対して命をかけている。私は彼がこのスポーツにもたらしてくれる大きな興奮というものに感服しているんだ」――ジミー・コナーズ(米国=グランドスラム8勝)
現役時代、ハッスルプレーで人気を博したコナーズ氏はエネルギッシュなプレースタイルを絶賛。「彼は最も情熱的な選手だ。テニスでは彼のような選手が世界NO1でいてほしい。ロジャー・フェデラーとノバク・ジョコビッチには明確な才能があるが、ラファにもそれはある。そして、彼はその才能とともに多くの感情をテニスに持ち込むんだ」とも語っている。
■「色々な人が彼のプレーや現状について、疑問の声を上げているのは知っている。しかし、彼は復活への気持ちが折れた時、ベストを取り戻すために何をすべきか理解している人間だ。僕はそんなに大きな問題とは思わない。彼はまだ29歳だ。まだまだ先もある。彼は間違いなく復活してくると確信している」――ノバク・ジョコビッチ(セルビア=グランドスラム12勝)
現役で長く世界の第一線を走るジョコビッチは15年に不振だったナダルを倒した当時、こう語っていた。その予言通り、31歳となった帝王は今、力強い復活を果たしている。
■「ナダルはこのスポーツでこれまで誰も試さなかった流儀を示した。私はナダルをNO1と考える、フェデラーはNO2だ。彼の功績は、ただただ僕にとっては感銘的だ。フェデラーの全盛期に彼が成し遂げた功績が、ね」――アンドレ・アガシ氏(米国=グランドスラム8勝)
米国のレジェンド、アガシ氏は史上最高と称されるスイスのマエストロよりも「ナダルが上」と評価している。さらに「彼はテニス界における黄金期にに、フェデラー、ジョコビッチ、マレーと競ってきた。彼は偉業を成し遂げたが、まだ終わりじゃない」と話し、「全仏を1度でも優勝することは超人的なパフォーマンスと言える。彼は10度優勝しようとしていた。なんとも感銘的だ。彼を軽視してきた人々の声やもの凄い逆境にも耐えた。彼の体格でこのレベルまでプレーを戻せるとは信じられなかった。私が間違っていたことを証明したよ」と不振を乗り越えたナダルを称賛した。