那須川天心が明かしてきた胸の内

　ボクシングのWBOアジアパシフィック（AP）バンタム級王者・那須川天心（帝拳）が24日、東京・有明アリーナで119ポンド（約53.98キロ）契約ノンタイトル10回戦に臨み、前WBO世界バンタム級王者ジェーソン・モロニー（オーストラリア）に3-0で判定勝ち（97-93×2、98-92）した。ボクサー転向6戦目で過去最強の相手を撃破。今秋以降に想定する世界初挑戦に弾みをつけた。自分の言葉で胸の内をさらけ出すのが神童スタイル。試合前後に明かした内容の一部を編集してお送りする。戦績は26歳の那須川が6勝（2KO）、34歳のモロニーが27勝（19KO）4敗。

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　ほんっとうにモロニー選手、予想通りめちゃくちゃ強かった。凄く良い経験をさせてもらった。初めて打ち合いをして、一人前というか、男になれたと思う。モロニー選手、本当にありがとうございます。僕は可能性を見せられたと思う。試合中、こんなに楽しくなることがなくて。凄くテンションが上がった。『よっしゃ、やるぞ！』みたいな。自分の可能性を試しながら戦った。

　今回から日記を始めた。試合前の選手って何を思っているのか、そんなに公になっていない。ボクシングに対する意気込み、どういう想いで試合に挑んでいるのか。少しでも自分の頭の中を書いて、それを楽しんでもらえるように。

　ボクシングに転向して2年。周りの声が変わってきた。僕を見て『キックボクシングじゃなくてボクシングを始めました』って、身内やSNSでよく言われる。それが中学生、高校生。ある子はキックを辞めてしまったけど、高校に入って何をやろうかという時、僕の試合を見に来てボクシングをやろうと思ったって。

　ボクシング部に入った子がいたのが凄く嬉しくて。最近、何かのきっかけになっていることをよく耳にする。ボクシングをしっかりとやる理由がまた増えた。

　オジサンに声を掛けられることも多くなった。うなぎ屋に行ったら、普通のおっちゃんから『あれ？　きみ、天心くん？』って。『キックの頃はあまり新聞に載っていなかったけど、今はたくさん載っている。だから嬉しいよ！　頑張ってねー！』と言ってもらった。僕のインタビューの内容にも『面白いことを言うね！　こんなに気合いが入っている若い子はあまりいないよ』って。

　長年、生きてきた方の言葉って凄く自信になるし、より刺さるものがある。