100m高校生女王だった自分に勝利 海を渡り着実に進歩した御家瀬緑の胸中「不甲斐ないというか…」【陸上日本選手権】
昨季は肉離れでシーズン後半を休養
男子100メートルで自己ベスト9秒98の小池祐貴ら所属先の先輩のもとで試行錯誤。昨季から米国に拠点を移した小池とともに、自身も海を渡る道を選んだ。だが、昨夏のアジア選手権で左太もも裏を肉離れ。苦難は続き、シーズン後半は休養に費やした。「去年は無理をしないで目先の結果を求めずにやってきた」。見据えたのは2025年東京世界陸上だ。
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冬場は地道に筋力アップ。「体は強くなっている。パワーはついているのでそれを生かした効率のいい走りをすれば……」。海外転戦を重ね、今月7日には11秒37でついに自己ベストを更新。高校時代の自分に打ち勝った。「海外の格上選手とレースを重ねてリミットを外せる機会があったのは凄くよかったです」。質の高い指導を求め、今大会は直前まで米国で調整。勢いをもって日本一決定戦に臨んだ。
今夏のパリ五輪には届かないが、2028年ロサンゼルス五輪も見据える元高校生女王。「そこに向けて実力を上げて、参加標準記録が見えるところまで成長したい。東京世界陸上が一番の目標。焦らずいきつつ、間に合わせたい」。女子100メートルは、福島千里の日本記録11秒21が14年破られていない。一歩抜け出し、世界と戦うのは誰になるのか。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)