井上尚弥に6回TKO負け

　ボクシングの世界スーパーバンタム級（55.3キロ以下）4団体タイトルマッチ12回戦が6日、東京ドームで行われ、王者・井上尚弥（大橋）がWBC1位の指名挑戦者ルイス・ネリ（メキシコ）に6回1分22秒TKO勝ちした。敗れたネリは病院に直行したため会見などは行われなかったが、一夜明けて米専門メディア「ボクシングシーン.com」のインタビューに応じている。井上について「それほど強いわけではない」と強がりとも見える発言を残しつつ「間違いなく、彼はあの階級（フェザー級など）でも何かを成し遂げられる」とも語っている。

　初回に左フックを井上の顎に着弾させ、ダウンを奪ったネリ。しかし、そこからモンスターに盛り返されると、計3度のダウンを喫し、6回TKOで敗れた。ダメージの色濃いネリは決着後、すぐに立ち上がれず呆然。試合後、井上と健闘を称え合う握手を交わしたが、病院へ直行。関係者からは「本日のネリ選手のインタビューは大事を取って病院に行くため、実施はなしとなりました」とアナウンスされた。

　一夜明けた7日に「ボクシングシーン.com」のインタビューに応じたネリ。実際に戦ってみての井上の印象については「ああ、彼はとても優れている」とコメント。一方で「彼はそれほど強いわけではないが、信じられないほどのスピードを持っている。それでも、俺は未だに彼が世界で最高の選手ではないと思っている。（彼は）パウンド・フォー・パウンドのベストではない」と強がりとも思える発言もしている。

　ただ、井上の実力を認めているのは間違いなさそうだ。「彼はおそらく126（フェザー級）、130（スーパーフェザー級）まで上がるだろう。すべては相手次第だ」「間違いなく、彼はあの階級でも何かを成し遂げられるし、そこに上がることができる」と断言。拳を交えて感じた可能性を言葉に表した。