井上尚弥、プロ初ダウンも「ダメージはさほど」 34年ぶり東京D興行は「噛み締めながら入場」
ボクシングの世界スーパーバンタム級(55.3キロ以下)4団体タイトルマッチ12回戦が6日、東京ドームで行われ、王者・井上尚弥(大橋)がWBC1位の指名挑戦者ルイス・ネリ(メキシコ)に6回1分22秒TKO勝ちした。34年ぶりに開催された東京Dボクシング興行。過去にドーピング騒動や体重超過を起こし、日本と因縁深い悪童を迎え撃ち、約4万人が駆け付けた。
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ボクシングの世界スーパーバンタム級(55.3キロ以下)4団体タイトルマッチ12回戦が6日、東京ドームで行われ、王者・井上尚弥(大橋)がWBC1位の指名挑戦者ルイス・ネリ(メキシコ)に6回1分22秒TKO勝ちした。34年ぶりに開催された東京Dボクシング興行。過去にドーピング騒動や体重超過を起こし、日本と因縁深い悪童を迎え撃ち、約4万人が駆け付けた。
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初回、ネリの左フックが井上の顎に着弾。尻もちをつき、試合ではまさかの人生初ダウンを奪われた。一瞬だけ時が止まった場内から悲鳴とどよめきが起き、再開後はロープに詰められるピンチ。早くも「尚弥!」コール。パンチを打ち返し、冷静さを取り戻した。2回はネリの打ち終わりに狙いすました左フックでダウンを奪い返し、挑戦者を見下ろした。
5回終盤にはロープに詰められたが、左フックで2度目のダウンを奪った。濃密な試合の決着は6回だ。井上の連打でネリが3度目のダウンを喫した。尻もちをつき、レフェリーストップ。モンスターはコーナーにのぼり、雄叫びを上げた。4万人から万雷の「尚弥!」コール。まさかのダウンを奪われる激戦を制し、陣営とともに安堵の笑みを浮かべた。
試合後の会見では「自分の中でも激闘と言える試合ができたんじゃないかなと思います。初回にダウンしましたが、最終的にはKOできたのでまた一つ自分の中でもいいキャリアを築けたのかなと思います」などと振り返った。
以下、主な会見の一問一答。
――試合を振り返って。
「本日はええ……自分の中でも激闘と言える試合ができたんじゃないかなと思います。初回にダウンしましたが、最終的にはKOできたのでまた一つ自分の中でもいいキャリアを築けたのかなと思います」
――初回にダウン。ダメージはどうだったか。あそこから何を考えて時間を過ごしたか。
「ダメージはさほどなかった。パンチの軌道が読めなかったので、初回ということでダウンはしましたけど、引きずることはなく、2回からポイントを計算しようかなと。2ポイントリードされているので。冷静にはできました。出だし、気負っていた部分もあった。ダウンして立て直せたと思います。ダウンがあったからこその戦い方だと思います」
――リング上でも「ハイテンションだった」と。トリッキーな動きもした。見切ったからか。
「見切りもそうですけど、試合を通して主導権を握っていく。気持ちで上回らないといけない。そういうこともあるので駆け引きです」
――勝利への手応えは。
「映像を見ないと全て把握しているわけではない。また映像を見て明日の一夜明け会見で話したい」
――プレッシャーは。
「自分にとってこの東京ドームでやることに関して、もの凄くパワーをもらっていたけど、それだけの重圧も今振り返るとあったなと。入場の時にこの東京ドームの景色を見て、自分自身、まあ舞い上がってはないけど、ちょっと浮足立つというか、そういうシーンはありましたね」
――ダウンの応酬。2回のダウンはその後の試合展開にどう作用したか。
「2回のダウンは1つチャラにできた。初回のダウンを。とりあえず同等に立てたという気持ち的にリセットできましたね」
――花道でドームを見渡していた。気持ちは。
「やっぱり東京ドームを噛み締めながら、4万人のお客さんを見渡しながら入場しました」
――今後に向けて。
「今日リング上にグッドマンが上がりましたが、交渉を進めていきたい。次戦は9月頃と聞いているのでそこに調整していきたい。それと今日もらったWBCのダイヤモンドベルトは大橋会長にプレゼントしたいと思います」
(THE ANSWER編集部)