武居由樹が涙「世界チャンピオンになりました!」 尚弥とも激闘の王者マロニー撃破、日本人がバンタム級ベルト4つ独占の快挙
ボクシングのWBO世界バンタム級(53.5キロ以下)タイトルマッチ12回戦が6日、東京ドームで行われ、世界初挑戦の同級5位・武居由樹(大橋)が王者ジェイソン・マロニー(オーストラリア)に3-0の判定勝ち(116-111×2、117-110)した。武居は日本人初のK-1とボクシングでの世界王者が懸かった一戦。マロニーは2度目の防衛戦だった。戦績は27歳の武居が9勝(8KO)、33歳のマロニーが27勝(19KO)3敗。
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ボクシングのWBO世界バンタム級(53.5キロ以下)タイトルマッチ12回戦が6日、東京ドームで行われ、世界初挑戦の同級5位・武居由樹(大橋)が王者ジェイソン・マロニー(オーストラリア)に3-0の判定勝ち(116-111×2、117-110)した。武居は日本人初のK-1とボクシングでの世界王者が懸かった一戦。マロニーは2度目の防衛戦だった。戦績は27歳の武居が9勝(8KO)、33歳のマロニーが27勝(19KO)3敗。
日本の期待が注がれた。この試合から世界的リングアナウンサーのジミー・レノンJr.氏が担当。国歌斉唱も行われ、ドームが荘厳な空気に包まれた。大熱狂の中で鳴った初回のゴング。サウスポーの武居は慎重な立ち上がりをみせたが、2回はローブローで減点を取られた。それでも3回に左ボディーストレートで効かせる場面も。変則的な挑戦者に王者マロニーはなかなか前に出られなかった。
4回以降も武居が攻勢を強めていった。6回終了間際には左ボディー、右フックのコンビネーションが綺麗に着弾。しかし8回、右ショートを受けてよろめき、たまらずクリンチした。息を吹き返した王者は的確なパンチで削っていく。武居は終盤に盛り返し、最終12回は「武居!」コール。明らかに効かされ、滅多打ちにあった。レフェリーが今にも割って入ろうかというところ、本能で耐えきり、終了のゴングが鳴った。
判定は3-0で武居の勝利。涙も見せた。リングインタビューでは「こんにちは、足立区から来た武居が東京ドームで世界チャンピオンになりました!」と声を震わせ、「12ラウンド結構きつくて、KOで勝ちたかったけれど、マロニー選手が強いって分かってから必死に練習できた。マロニー選手のおかげで強くなれた。ありがとうございました」と相手にも感謝した。
これまでK-1とボクシングで世界王者になった日本人はいない。武居は、2017年5月にWBC世界フライ級王座に就いた比嘉大吾(13試合)以来、日本人2人目の「デビュー全勝全KOで世界戴冠」の快挙が懸かっていた。
武居は、育ての父として慕う格闘技ジム「POWER OF DREAM」の古川誠一会長と二人三脚でK-1世界王者に。大橋ジムでボクシング転向後は、元世界3階級制覇王者・八重樫東トレーナーに師事。2021年3月にボクシングデビューすると、8勝(8KO)のパーフェクトレコードで世界戦にたどり着いた。
王者マロニーは20年10月に米ラスベガスで井上尚弥(大橋)に世界挑戦し、7回KO負け。21年8月に再起すると、井上が返上したWBO世界バンタム級王座を23年5月に獲得した。今年1月に初防衛成功。世界的モンスターに敗れたとはいえ、ハイレベルな技術を持つ再起後6連勝中の実力者だった。
メインイベントは、世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上と元世界2階級制覇王者ルイス・ネリ(メキシコ)の歴史的一戦。34年ぶりに東京Dでボクシング興行が開催された。
この日は、井上の弟のWBA世界バンタム級王者・拓真(大橋)が同級1位・石田匠(井岡)に判定勝ち。WBC王座には中谷潤人(M.T)が君臨し、4日には西田凌佑(六島)がエマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)に判定勝ちでIBF王座を奪取した。武居の勝利で、全4つのベルトを日本人が独占する快挙となった。
(THE ANSWER編集部)