バスケB1「最後の残留争い」が白熱 “崖っぷち”信州の生え抜き選手、望みつなぐ気迫のワンプレー
三ツ井利也「内容がどうであれ泥臭くやるしかない」
試合の残り時間が3分を切った場面で、三ツ井はパスを受けた富山の水戸健史からボールを叩くと、そのまま転がったボール目がけて飛び込み、スティールを完成させる。富山に流れが傾きかけたところを食い止めたワンプレーに、勝久HCが全力のボディランゲージで称え、試合後の会見でも「あれがウイニングプレー」と言わしめた。
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立役者となった三ツ井は、激戦となった終盤をこのように振り返る。
「最後の最後、『どちらがより勝ちを欲しがったか』という戦いになって、結果として僕らのほうに流れが向かいました。前半から富山さんに五分五分のボールをずっと取られてしまって、それが競った要因にもなりましたし、終盤まで続いてしまうと絶対に流れを持っていかれると思っていました。僕が競った場面でプレーをするからには、ああいう仕事(泥臭いプレー)も求められている。無我夢中というか、学生時代から培ってきたメンタリティーが自然に出たのかなと感じています」
この節のB1リーグでは、信州と残留圏内を争う茨城ロボッツがチャンピオンシップ出場を目指す千葉ジェッツから1勝を挙げた。信州は茨城との直接対決の戦績(2勝0敗)で上回っているため、茨城と同率に並べば上位に立てるが、残り4試合でゲーム差「2」を追いつかなければならないという厳しい条件は変わらない。
残り少ないシーズンの戦い方を問われた三ツ井は、自らの仕事ぶりと照らし合わせるように答えた。
「戦略についてはコーチ陣が提示してくれるものもあるとは思いますが、最後は今日のようにルーズボールやリバウンドなどで、僕らがどれだけボールを欲しがるか。試合の最後まで自分たちのバスケットをやりきること。こういう状況になると、欲しいのは勝ちしかない。内容がどうであれ、泥臭くやっていくことが、一つひとつの勝利を死に物狂いで取るためには大事だと思います」
(荒 大 / Masaru Ara)