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もはや、井上尚弥の秒殺KOは不可避なのか 英誌記者「彼の体力と顎を試す人間いるか」

もはや焦点は秒殺劇の回避だけ「バーネット、テテ、他の選手よ、応答せよ…」

「ウシクとイノウエは開幕前からブックメーカーの優勝候補の本命だったことは忘れてはいけない。しかし、初回でのパヤノ破壊劇を目にしてしまった。ウシクが準々決勝で対戦したクルーザー級のフックより、パヤノはバンタム級でより尊敬を受けていた。マニー・ロドリゲスという強烈なインパクトを持つ相手を経て、バーネットとテテの勝者と統一戦を行う。すなわち、モンスターの方に軍配が上がることを意味する」

 クレイズ氏は猛者揃いのバンタム級の充実から、大会制覇となればウシクの偉業を凌ぐ偉業になると言及。一方、編集担当のルーク・G・ウィリアムズ氏は「イノウエがバンタム級制覇となれば、ウシクのシーズン1優勝と並ぶ偉業となる」と語り、五分五分と指摘している。

「どちらの大会も信じられないほどクオリティが高い。イノウエはすべてのベルトを手にできるわけではないが、彼は疑いなく118ポンドでの主役と見なされる権利を手にすることになる」

 今大会はWBC王者が空位のため、3団体統一戦となる。それでも4団体制覇したウシクに並ぶほどの達成だとウィリアムズ氏は主張。井上はバンタム級転向後、10年間無敗だったWBA同級元王者ジェイミー・マクドネル(英国)、フアン・カルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)という猛者と2試合戦ったが、いずれも1回KO勝ち。試合時間は計182秒という秒殺劇を繰り返している。

「私が注視していることは、彼との対戦で序盤以降まで持ち堪えることができる人間がいるか。終盤まで彼を苦しめ、彼のスタミナと顎を試すのような選手がいるのか、ということだ。バーネット、テテ、他の選手よ、応答せよ…」

 もはや勝ち負けではない。「The Monster」の強烈なラッシュを逃れ、終盤までもつれさせることができる相手はいるのか、とウィリアムズ氏は主張。ライバルたちに奮起を呼びかけている。今や英国でもその実力を認められる井上。相手は一方的な秒殺劇を免れることができるのか、何ラウンドまでリングに立っていられるのか――。勝敗の先の次元にテーマが移行しているようだ。

(THE ANSWER編集部)


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