「ボロボロになりながらやってる」 ファイナル進出王手の東レ、39歳米山裕太が若手に届ける背中【Vリーグ男子】
バレーボールのV1リーグ男子レギュラーラウンドが9日、東京・アリーナ立川立飛などで行われ、今季6位の東レアローズが同7位の東京グレートベアーズに3-1(25-27、25-17、25-21、27-25)で逆転勝ちし、ファイナルステージ進出に王手をかけた。先発に抜擢された39歳の元日本代表・米山裕太は攻守で存在感を示し、強気のプレーで勝利に貢献した。
バレーボールVリーグ1部
バレーボールのV1リーグ男子レギュラーラウンドが9日、東京・アリーナ立川立飛などで行われ、今季6位の東レアローズが同7位の東京グレートベアーズに3-1(25-27、25-17、25-21、27-25)で逆転勝ちし、ファイナルステージ進出に王手をかけた。先発に抜擢された39歳の元日本代表・米山裕太は攻守で存在感を示し、強気のプレーで勝利に貢献した。
気持ちで流れを引き寄せた。第2セット(S)開始直後。相手のフェイントを味方が崩れた体勢からレシーブし、高いトスに反応したのが米山だった。いきなりのバックアタック。「弱気になってはいけない」。サービスエースも奪って連続得点。「勇気を持って打って、次のサービスエースに繋がった」。第1Sを接戦で落とし、奪われた流れ。気合いで取り戻し、ベテランの勢いがチームに伝染した。
2007年から東レ一筋17年。09年には日本代表に初選出され、攻守で活躍した。前週は守備の乱れでジェイテクトSTINGSに敗戦。篠田歩監督は、米山の先発抜擢を決めた。「先発と思っていなかった中で結果を残してくれた。日々の準備をしていた米山は凄い」。チーム全体の攻撃活性化にも繋がり、逆転勝ちで「Most Impressive Player」に選出。相手が武器とするサーブも封じた。
日本代表として世界と戦い、東レで2度の優勝を知る39歳。「特段何かを発することはしていない。みんなと一緒に成長したい」。向上心は持ち続け、若手に背中を見せた。「ボロボロになりながらやっている。そんな中でも準備する姿を見て何かを感じていたらいいな」。何年経っても、試合に出るかわからなくても地道に備える姿はお手本。仲間に与えた影響も大きかった。
10日は日本代表や東レで活躍し、1年前に31歳で他界した藤井直伸さんの命日。「明日も負けられない試合。(相手も)対策してくるので、その対策に負けないようにしたい」。東レにとって、バレーボール界とって特別な日。5年ぶりのファイナルステージ進出へ、天国の後輩にも背中で活躍を見せる。
(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)