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故・穴口一輝と対戦した堤聖也「彼は本物でした」 表彰式で誓った世界獲り「僕の拳には彼らの想いが乗っている」

ボクシングの2023年度年間優秀選手表彰式が19日、都内で行われ、2冠を獲得した前日本バンタム級王者・堤聖也(角海老宝石)が出席した。努力・敢闘賞に加え、昨年12月の穴口一輝選手(真正)とのタイトルマッチが年間最高試合賞(世界戦以外)を受賞。この試合後に意識不明で開頭手術を受けた末、2月2日に死去した穴口選手に対し、「穴口選手は本物。彼は本物でした」と語った。

表彰式に出席した堤聖也【写真:山口比佐夫】
表彰式に出席した堤聖也【写真:山口比佐夫】

ボクシング年間表彰式

 ボクシングの2023年度年間優秀選手表彰式が19日、都内で行われ、2冠を獲得した前日本バンタム級王者・堤聖也(角海老宝石)が出席した。努力・敢闘賞に加え、昨年12月の穴口一輝選手(真正)とのタイトルマッチが年間最高試合賞(世界戦以外)を受賞。この試合後に意識不明で開頭手術を受けた末、2月2日に死去した穴口選手に対し、「穴口選手は本物。彼は本物でした」と語った。

 堤は穴口選手の通夜、告別式にも参列。この日は式典冒頭に黙とうが捧げられた。各選手の試合映像では両者が称え合うシーンが流された。堤は取材に応じ「努力・敢闘賞も光栄に思います。3試合やって指名試合とトーナメント2試合。全部あまり好きなタイプではない相手で勝ちぬけたのは成長」とし、年間最高試合についてこう明かした。

「いろんな意見があると思います。でも、この試合を選んでくれてよかったですし、この試合じゃなかったらどれ?と皆さんが迷うと思う。それくらい圧倒的な内容だったと思う。試合後のこととか関係なしに、試合内容、あの30分間を見ると、互いに持ち味を全部出した試合。やった僕らにしか感じられないものがある。穴口選手は本物だなと思いました。彼は本物でした。悔やまれるのは今日、一緒にいられなかったこと。これだけが悔やまれます。心よりご冥福をお祈りいたします」

 2人は昨年12月に対戦し、王者・堤がダウン4度を奪う3-0の判定勝ち。挑戦者の穴口選手は試合後に救急搬送され、右硬膜下血腫により緊急の開頭手術を受けた。意識不明のまま都内の病院に入院していたが、今月2日に23歳で死去。亡くなる直前には、この試合が年間最高試合賞(世界戦以外)に選ばれていた。

 堤は「ずっと覚悟してボクシングをやっています。試合前から僕は『これで終わるかも』と考えている」と強調。「穴口選手の意識がないと聞いた時、回復は心から祈っていたけど、覚悟はしていた。(試合から訃報まで)時間があってショックはあったけど、考えはまとまっていました」と気丈に話した。一方で「家族のことを思うと言葉が出ない。僕は何も言えない」と話した。

 今後は全ての対戦相手の想いを背負って世界挑戦を目指す。

「あの試合は僕の誇りです。こういう言い方はあれですが、彼に問わず戦ってきた相手との人生の潰し合いだと思ってボクシングをやっています。彼に問わず戦ってきた相手への想いはあって、彼へのその想いはより強いものがある。僕の拳には彼ら(全ての対戦相手)の想いが乗っているので、それも全て覚悟した上で今後とも僕のスタイルのボクシングを皆さんに見せていきたい。世界は必ず獲ります」

 この日は世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が6年連続7度目の最優秀選手賞(MVP)を受賞した。6年連続は歴代単独最多。年間最高試合(世界戦)とKO賞とともに3冠となり、スピーチでは「僕ら選手は覚悟を持ってリングに上がっています。ボクシングとは勇気や感動を与えるとともに、常に危険と隣り合わせのスポーツと再認識しないといけません。ここで伝えたいのは昨年12月26日に国内の年間最高試合を受賞した穴口選手の試合。あの日見た試合は皆さんの心の中に輝き続けると思います」と語気を強めていた。

(THE ANSWER編集部)


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