高橋沙也加、リオ五輪銀に惜敗も残った手応え「勝ちたい思いが強くなった」
本人の中にあった「迷い」とは? 「来年に向けて成功できるように」
ただ、久々に強敵を相手に好ゲームを展開できたことは、明るい材料だ。日本A代表の一員としてリオ五輪の出場を目指していた2015年10月に右ひざを負傷して戦線離脱。2016年以降はB代表の枠組みで活動している。派遣される大会は、ワールドツアーのスーパー300クラス。日本A代表が出場するスーパー750やスーパー1000と比べると低い。その中で、今季は2月のスイスオープン優勝を皮切りに、好成績を挙げている。5月のニュージーランドオープンを優勝。6月のカナダオープンは準優勝だったが、7月には、シンガポールオープン、秋田マスターズで連続優勝を飾った。しかし、迷いもあるという。
「シンガポールの大会が終わるまでは(成績を挙げてポイントを稼ぎ、シーズンの)後半戦は、何が何でも上の大会に出るという目標があった。ただ、遠征や合宿が続く中で、コンディションがうまくいかず迷っていて、整理できないままこの大会に臨んでしまった部分もある。でも、五輪レースになったら、そんなことは言っていられないし、今年中に克服しないといけない。失敗できる分だけ失敗して、来年に向けて成功できるようにしたい」
なかなかトップレベルの大会に出られずに試合が続く苦しみの中にいるからこそ、久々の強敵相手の接戦は、収穫がある。高橋は「これを機にもっと(ランキングが)上の選手と試合をする経験を積んで、勝ちたいという思いが強くなった」と話した。今大会から中国オープン、韓国オープンと続く3連戦で、今度は強敵撃破の喜びを味わいたいところだ。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)