大迫の裏で“もう一つの力走” 4年前の爆破テロ被害者が笑顔でボストン完走
「あの日起きたことは考えていなかった」…悲劇を振り返らなかった理由
その理由には、冷酷な過去を振り返って悲しむよりも、事件から温かい支えがあって、この日までたどり着いたことへの想いがあったようだ。
「この4年間、あらゆる人から受けた手助けを思い出していたんだ。受けた支援が頭に浮かんで……自分の場合は本当に、あの日起きたことは考えていなかった」
終盤はコース上で周りの選手とジョークを交わしながらレースを楽しんだという。
「楽しかったよ。僕らを助けてくれる人々にも、この気持ちを感じてほしいんだ」
初めてのボストンマラソンをこう振り返ったという。自らが障害を負った悲劇の地を笑顔で走り切ったフライカル。支えてくれた人すべてへの感謝を込めた完走劇だった。
【了】
ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer