「日本競歩はこのまま終わらない」 川野将虎、メダル0の危機を救う35km銅「自分が繋ぐ」
ブダペスト世界陸上は24日、男女の35キロ競歩が行われ、昨年銀メダルの川野将虎(旭化成)が2時間25分12で銅メダルを獲得した。19日の男子20キロ競歩では表彰台独占の可能性があったが、まさかのメダルなし。日本競歩界の意地を見せ、「このまま日本の競歩は終わっていられない」と強い気持ちで結果を残した。
ブダペスト世界陸上
ブダペスト世界陸上は24日、男女の35キロ競歩が行われ、昨年銀メダルの川野将虎(旭化成)が2時間25分12で銅メダルを獲得した。19日の男子20キロ競歩では表彰台独占の可能性があったが、まさかのメダルなし。日本競歩界の意地を見せ、「このまま日本の競歩は終わっていられない」と強い気持ちで結果を残した。
スタートラインでの選手紹介。川野は名前を呼ばれると、カメラに深々とお辞儀した。15キロ付近からオーレリアン・キニオン(フランス)がペースアップ。20キロで2位以下に30秒ほどの差をつけた。川野は2位集団でレースを進める展開。30キロ手前でキニオンが3度目のペナルティーを受け、優勝争いから脱落したことで川野は一気に先頭争いになった。
「メダルを絶対に獲得する。スタミナには自信がある」
譲れない想いを胸に足を動かした。最終スパートで離されたものの、両手を広げながらフィニッシュ。上位選手たちと握手を交わし、健闘を称え合った。「今大会に向かうにあたって本当に苦しい道のりだった。なかなか思うようにいかず日本選手権は惨敗。多くの方々のおかげで最高の状態でこの舞台に立てた。みんなの取り組みが間違いじゃないことを証明したかった」と汗を拭った。
19日の男子20キロ競歩では山西利和、池田向希の前回メダリスト2人が入賞に届かず。日本競歩界のメダルゼロの危機を救い、伝統を繋ぐ歩きに胸を張った。
「山西選手、池田選手など強い選手がいますが、メダルが獲れなかった。このまま日本の競歩は終わっていられない。自分が繋ぐんだ、と。歴代の方々が繋いで下さったから今の僕たちがいる。感謝を持ってそれを繋ぎたいという思いだった」
21年東京五輪は50キロ競歩で6位入賞。昨年オレゴン大会は当時の日本新記録2時間23分15秒で銀メダルだった。今後は種目がなくなるため、20キロ競歩を主戦とする方針。「さらに磨いていきたい」と成長を誓った。
(THE ANSWER編集部)