「勉強じゃなくレースに来た」 24歳女子ハードラー・田中佑美、初の世界陸上で示した勝負魂
実力者が「右にも、左にも、前にもいる。世界選手権ならでは」
関大一高時代にインターハイを連覇すると、立命大では関西インカレ4連覇、2019年に日本インカレ優勝。21年に名門・富士通に入社し、関東の筑波大へ拠点を移した。今季は4月に日本人4人目の12秒台となる12秒97で優勝。5月にも12秒91、12秒89と立て続けに自己ベストを塗り替え、6月の日本選手権は3位。ワールドランキングで日本代表に入るまで飛躍した。
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世界陸上出場へポイントを稼ぐため、今年1、2月は欧州、オーストラリアに遠征していた。海外勢のレベルを体感。「(遠征で戦った選手が)今回一緒に走っていたメンバーにも何人かいる。(実力者が)1組に2人か3人いるレベルだったのが、(世界陸上は)全員それなので。右にも、左にも、前にもいるというか、やっぱり世界選手権ならではだなと思いました」と世界デビューの経験を振り返った。
「国内のレベルが高くなっているので、今後の海外転戦はどうしようかなと思っていました。でも、やっぱり高いレベルの方々と走る経験は大事だなと。今後の方向性をここで明言できるわけではないですが、必要性を感じました。12秒90から70台がどんぐりの背比べ状態。たくさんいる中でしっかり勝ち抜くためには、実力をもう1段階、2段階上げていかないといけない。国内でも負けないようにしっかりと実力を上げることにフォーカスしたいです」
全ての質問に答えると、「お気をつけてお帰り下さい」とペコリ。笑顔で報道陣を気遣い、初の世界陸上を終えた。13秒間の経験を飛躍に繋げていく。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)