「勉強じゃなくレースに来た」 24歳女子ハードラー・田中佑美、初の世界陸上で示した勝負魂
ブダペスト世界陸上は22日(日本時間23日)、女子100メートル障害予選が行われ、初出場の24歳・田中佑美(富士通)が13秒12(追い風0.4メートル)の5組7着、全体34番手で予選落ちした。世界デビュー戦はほろ苦い経験となったが、収穫はあった様子。「自分は勉強じゃなくてレースをしに来た」と全身全霊で戦った。
ブダペスト世界陸上
ブダペスト世界陸上は22日(日本時間23日)、女子100メートル障害予選が行われ、初出場の24歳・田中佑美(富士通)が13秒12(追い風0.4メートル)の5組7着、全体34番手で予選落ちした。世界デビュー戦はほろ苦い経験となったが、収穫はあった様子。「自分は勉強じゃなくてレースをしに来た」と全身全霊で戦った。
最終5組目の田中は、待機室で全組のタイムを確認した。「12秒90台が通過ラインになる」。ウォーミングアップで体はよく動いていた。自己ベストは12秒89。「あとは自分との闘い」。スタートでうまく出ると、落ち着きを持ったまま後半へ。しかし、ここからというところで離された。
取材エリアでは、待ち構える報道陣に「ありがとうございます」と一礼。「全く思った通りに走らせてくれませんでした」と初々しく苦笑いした。
「私がリズムアップして、他の方々に追いつきかけるタイミングで離されていった。(事前に展開を)理解はしていたんですけど、やっぱり実感するのとはまた別。上手に自分のリズムを刻み上げられなかった。
緊張はあまりなかったんですけど、コールルームが少し寒くて。快適ではあったんですけど、パッと外に出たら蒸し暑くて、寒暖差で一瞬体がだるくなった感じがしました。どうしようかなと思ったんですけど、案外スタートまでは時間があったので、落ち着いて気温に慣らすことができました」
レース直後の取材のため、走った動画を確認していない状態。「体感としてはずっと置いていかれていた感じではあります。でも、やっぱり他人と比較してしまうとレベルが違うのは明らかなので、それと比較して俯瞰するのはやめようと思います」と冷静だった。海外勢に通用すると思えた点を問われたが、勝負をする意識を大事にしていたことを明かした。
「実はあえて何も見ていなくて(笑)。せっかくの勉強の機会なんですけど、やっぱり自分は勉強じゃなくてレースをしに来たので、レースに集中していました」