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田中希実「井の中の蛙だった」 最下位で1500m準決敗退に無念「怖気づいてしまう」【世界陸上】

ブダペスト世界陸上は20日(日本時間21日)、女子1500メートル準決勝が行われ、東京五輪8位入賞の23歳・田中希実(New Balance)が4分6秒71の1組12着、全体23番手(1人途中棄権)。ともに最下位で無念の敗退となった。この種目で日本人初となる決勝進出はお預けに。上位12人で争う決勝は22日(日本時間23日)に行われる。

世界陸上・女子1500メートル準決勝1組で走る田中希実(左)【写真:ロイター】
世界陸上・女子1500メートル準決勝1組で走る田中希実(左)【写真:ロイター】

ブダペスト世界陸上

 ブダペスト世界陸上は20日(日本時間21日)、女子1500メートル準決勝が行われ、東京五輪8位入賞の23歳・田中希実(New Balance)が4分6秒71の1組12着、全体23番手(1人途中棄権)。ともに最下位で無念の敗退となった。この種目で日本人初となる決勝進出はお預けに。上位12人で争う決勝は22日(日本時間23日)に行われる。

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 田中は勝負のスタートラインに立った。名前をコールされると、ブダペストの夕日を浴びながらカメラに一礼。ピストル音とともに勢いよく飛び出した。ポジション争いでは集団に飲み込まれる形に。300メートルであえて最後方に下がり、走りやすい外に出た。500メートルで1分24秒51のスローペース。1000メートルも集団やや後方の7番手だった。

 残り1周でペースアップ。スピードについていけず、じりじりと差をつけられた。残り200メートルで最下位に。海外選手たちの背中を追う形で最後にフィニッシュした。レース後は「自分が支配するレースができない。(国内外で)いろいろ試しながらやってきたけど、全部自分のため(自分が中心)のレース。井の中の蛙のレースだった。いざ世界でやると、引き出しのある選手の中で実力を出せない」と悔しさを露わにした。

「気持ちの部分が大きいけど、技術で特に劣っていた。海外選手の方がラストを持っている。私が動きに出るとすぐに反応される。その時点で自分の流れにさせてもらえない。そこを制する力をつけていないといけない」

 前日の予選は今季ベストタイムとなる4分04秒36で通過圏内ぎりぎりの組6着だった。

 昨年オレゴン世界陸上は日本人初の個人3種目に出場。1500メートルは日本人過去最高の準決勝組6着ながら敗退、800メートルは予選落ち、5000メートルは決勝12位に留まるなど涙を流す結果となった。4月からNew Balanceに所属し、覚悟を決めてプロ転向。6月の日本選手権は1500メートルと5000メートルでぶっちぎって史上初の2年連続2冠を達成し、ケニア合宿などを挟んで今大会を迎えた。

「(決勝進出ラインで)実力が横並びで2人に1人(の争い)となると、怖気づいてしまう。世界のレベルが上がっているのもある。自分で最初からいくという肝の据わったレース、絶対的な自信が必要。もっと力をつけて最初からいって押し切ること。横に並んだ時に押しのけられる。本当に押すのはよくないけど、押し返すくらいの気持ちが必要」

 3大会連続3度目の世界陸上は、23日に予選が行われる5000メートルと合わせて2種目に出場する。「5000メートルが残っているのが救いです」と懸命に前を向いた。

(THE ANSWER編集部)


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