田中希実と叶えた「世界で一緒に走る」という目標 親友の凄みを知った後藤夢、初めての世界陸上
ブダペスト世界陸上が19日、ハンガリーの同地で開幕した。女子1500メートル予選では、初出場の23歳・後藤夢(ユニクロ)が4分10秒22の3組12着で予選敗退。「日本ではあれだけ大差で負けるというのがあまりなかった」と実力差を感じた。準決勝に進出した田中希実(New Balance)は高校時代からの親友。「一緒に肩を並べて走れるように」と背中を追う姿勢を見せた。
ブダペスト世界陸上
ブダペスト世界陸上が19日、ハンガリーの同地で開幕した。女子1500メートル予選では、初出場の23歳・後藤夢(ユニクロ)が4分10秒22の3組12着で予選敗退。「日本ではあれだけ大差で負けるというのがあまりなかった」と実力差を感じた。準決勝に進出した田中希実(New Balance)は高校時代からの親友。「一緒に肩を並べて走れるように」と背中を追う姿勢を見せた。
世界との差を痛感した。初の世界陸上は悪天候でスタートが1時間遅れに。ハイペースでレースが展開される中、後藤は必死に食らいつこうとしたものの、次第に離されていった。同組1着は4分00秒87、予選通過ラインの6着も4分01秒45とハイレベルな争いについていけなかった。
「率直に(上位争いに)もっと絡みたかった。初めてというのを言い訳にはしたくない」。レース後、大粒の汗を流しながら悔しさを噛み殺す。海外でのレース経験はあるものの、順位よりもタイムが重視される記録会が中心。「今回は順位が大事。駆け引きよりも、まず絡めるだけの余裕、土台がまだちゃんと仕上がっていなかった。心も体も凄く弱かったかなと思う」と唇を噛んだ。
「日本では、やっぱりあれだけ大差で負けるというのがあまりなかった。新鮮な気持ちもあったけど、走りながら『キツイけど、あそこ(先頭集団)で走りたい』というのは凄く思った」。世界の壁は高い。その凄みを知ったことが次への原動力となる。
東京五輪8位入賞の田中とは、中学から互いを知る仲。田中が4月にプロ転向するまで、高校、大学、社会人と長年チームメートだった。この日の朝は「全然、実感沸かんな。今日走るんやなぁ」とやり取り。それでも、2年連続日本選手権2冠の親友は、4分04秒36の1組6着でしっかり予選通過した。「そこは本当に見習わないとなと思う」。互いに刺激し合い、ここまで一緒に成長。その関係性は世界を舞台にしても変わらない。
「田中選手と世界大会で走るというのが目標だった」。ひとまず親友と誓った目標は叶えた。「今度は決勝で、一緒に肩を並べて走れるような力をつけて戻ってきたい。シンプルにまた力をつけて」。来年のパリ五輪が次の大きなターゲットだ。
(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)