どうする日本の酷暑問題 2025年東京世界陸上へ、WA会長「マラソンは危険のない時にすべき」
ブダペスト世界陸上の開幕を翌日に控えた18日、世界陸連(WA)のセバスチャン・コー会長が大会会場で会見し、2025年9月の東京大会での酷暑対策について言及した。地球温暖化が競技にもたらす影響に触れ「選手たちの健康が最優先事項だ」と強調。長距離種目における実施時期の再検討などの課題を口にした。
ブダペスト世界陸上
ブダペスト世界陸上の開幕を翌日に控えた18日、世界陸連(WA)のセバスチャン・コー会長が大会会場で会見し、2025年9月の東京大会での酷暑対策について言及した。地球温暖化が競技にもたらす影響に触れ「選手たちの健康が最優先事項だ」と強調。長距離種目における実施時期の再検討などの課題を口にした。
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持続可能な大会運営の重要性を訴えた。会見に出席したコー会長は、最近の調査結果を発表。「アスリートの75%が、競技中やトレーニングプログラムにおいてすでに気候変動の影響を受けていると回答した」と明かした。
米オレゴン州ユージーンで行われた2021年の米代表五輪選考会でも暑さが話題に。「(摂氏)30度半ばから始まり、私が離れる頃には44度に達して1万メートル競技の日程変更を余儀なくされた。比較的落ち着いた気候のオレゴンでもだ」と危機感を募らせた。
さらに「選手たちの健康が最優先事項」と強調。東京大会を踏まえ「私たちはこれについて考える必要がある。長距離種目、特にロード競技(マラソン、競歩)のいくつかは、1年の中で選手たちを危険に晒さない時期に開催すべきかもしれない」と、酷暑対策として開催時期を柔軟に検討する必要性に言及した。
日本でも今年の夏の甲子園から「クーリングタイム」が導入されるなど、スポーツ時の熱中症対策は近々の課題だ。21年東京五輪では、暑さへの懸念からマラソンと競歩の開催地が東京から札幌に変更された。次回の東京世界陸上は2025年9月13~21日開催だが、残暑の影響も懸念される。
昨年のオレゴン世界陸上ではSDGs推進としてペットボトルの排除が進められ、選手のドリンクにも紙パック飲料水を採用したことが注目を集めた。コー会長は、ブダペストでも引き続き「持続可能な戦略」のもと、大会運営を進める方針を示した。
(THE ANSWER編集部)