甲子園で「反則級」と話題の日大三エースの魔球 直伝の甲子園V腕・吉永健太朗さん認定「あれはシンカー」
熱戦が繰り広げられる第105回全国高校野球選手権(甲子園)で、ある投手の魔球が話題になっている。9日の1回戦・社(兵庫)戦に先発した日大三(西東京)のエース・安田虎汰郎投手(3年)がわずか2安打で今大会完封一番乗りを自身初完封で達成。その快投を呼んだのが、チェンジアップだった。左打者に対し、大きく外に逃げるようにして落ちる変化球に社打線は苦戦。ネット上で「反則級」「エグすぎる」の声が上がった。実はこれは日大三OBで2011年夏の甲子園優勝投手・吉永健太朗さんが直伝したもの。吉永さんが「THE ANSWER」の取材に応じ、本人はチェンジアップと呼ぶ魔球を「あれはシンカーです」と認定した。
甲子園1回戦で完封した日大三・安田虎汰郎のチェンジアップ
熱戦が繰り広げられる第105回全国高校野球選手権(甲子園)で、ある投手の魔球が話題になっている。9日の1回戦・社(兵庫)戦に先発した日大三(西東京)のエース・安田虎汰郎投手(3年)がわずか2安打で今大会完封一番乗りを自身初完封で達成。その快投を呼んだのが、チェンジアップだった。左打者に対し、大きく外に逃げるようにして落ちる変化球に社打線は苦戦。ネット上で「反則級」「エグすぎる」の声が上がった。実はこれは日大三OBで2011年夏の甲子園優勝投手・吉永健太朗さんが直伝したもの。吉永さんが「THE ANSWER」の取材に応じ、本人はチェンジアップと呼ぶ魔球を「あれはシンカーです」と認定した。
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吉永さんといえば、2011年夏の甲子園V投手。その代名詞となったのが、シンカーだった。右のオーバーハンドから投げた球は、浮きながら左打者から逃げるようにして大きく落ちる。対戦した打者が「左投手のカーブみたい」と唸るほどの魔球。今も熱心な高校野球ファンの間では語り草となっているほど、インパクトは強かった。
「安田君は凄いピッチングでしたね。コントロールが良く、四球を出して流れが止まることがない。地方大会から四球が少なく、完投しても球数少なく投げられます」
初戦で2安打完封をやってのけた安田について、こう語った吉永さん。実は今年1月、勇退する小倉全由監督(当時)の挨拶のために日大三を訪れた際、本人の依頼を受けて安田を指導した。その時にシンカーを直伝。吉永さんに憧れて進学し、右のオーバーハンドに黄色のグラブはどことなく、かつての吉永さんを彷彿とさせる。
シンカーについて、本人から「(吉永さんを)見よう見まねでやってます」と言われ、アドバイスしたという。
実際にキャッチボールし、球種を実践してみせながら30分間。「シンカーとチェンジアップは全く違うもので、人によってシンカーは凄く難しい球種。安田君は当時はまだ課題はあったものの、シンカーとしての要素はあった。実際に見て課題を伝えた上で『こうやったらシンカーになるよ』という指導をしました」と明かす。
中指と薬指で挟み、中指の外側でしっかりとトップスピンをかけるのが吉永さん流のシンカー。
「周りから見たシンカーと僕が投げるシンカーは実は感覚が違います。僕のシンカーはリリースした瞬間に浮く。浮かせようと思うと、普通は(リリースも)上に投げようとする。でも、実際には下に投げて勝手に上に上がる。ダルビッシュ投手のスローカーブも下に振っているのに球は浮く。シンカーもそれと同じように上がるんです」
その原理を伝えた上で「安田君も上に投げる意識が強かったので、サイドスピンよりトップスピンがかけられるように」とレクチャーした。