井上尚弥の「1位にこだわる」 PFP投票で唯一の票投じたリング誌編集長「少数派だと分かっているが…」
世界で最も権威ある米老舗ボクシング専門誌「ザ・リング」は7月31日(日本時間1日)、パウンド・フォー・パウンド(PFP)最新版を発表。29日(同30日)に世界初の2階級4団体統一を達成したテレンス・クロフォード(米国)を1位に選出した。25日に4階級制覇を達成した井上尚弥(大橋)も1位候補に名前が挙がっていたが、2位で不変だった。同誌は選出に向けた投票の舞台裏を紹介。クロフォード優勢の中、井上に唯一の票を入れた人物による「私はイノウエをキングとすることにこだわる」という主張を公にしている。
「リング」誌が明かしたPFP投票の舞台裏
世界で最も権威ある米老舗ボクシング専門誌「ザ・リング」は7月31日(日本時間1日)、パウンド・フォー・パウンド(PFP)最新版を発表。29日(同30日)に世界初の2階級4団体統一を達成したテレンス・クロフォード(米国)を1位に選出した。25日に4階級制覇を達成した井上尚弥(大橋)も1位候補に名前が挙がっていたが、2位で不変だった。同誌は選出に向けた投票の舞台裏を紹介。クロフォード優勢の中、井上に唯一の票を入れた人物による「私はイノウエをキングとすることにこだわる」という主張を公にしている。
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25日に東京で開催されたWBC&WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチで、井上は2団体王者スティーブン・フルトンに8回TKO勝ち。新階級初戦で難敵を圧倒し、4階級制覇を達成した。この時点でPFP1位に推す声も多数挙がっていたが、その5日後に行われた世界ウェルター級4団体王座統一戦でクロフォードがエロール・スペンスJr.に完勝。9回TKO勝ちで世界初の2階級4団体統一を達成していた。一気に流れはクロフォードに傾き、リング誌も順当にクロフォードを1位に選出した格好だ。
これについて、同誌は「リング誌の評価付のアップデート:テレンス・クロフォードがパウンド・フォー・パウンドランキングの1位をつかむ」との見出しで記事を掲載。本文で「先週はアメージングだった。ボクシング界はエリートレベルな天王山に2つも恵まれた。メディアとハードコアなファンは2つの素晴らしいリングバトルを目撃することになると思っていたが、実際は2つの歴史に名を残すべきワンサイドのマスタークラスを享受した」と記したうえで、「リング誌の選定委員会の中で、誰がパウンド・フォー・パウンドランキングの1位になるべきか激論が交わされただろうと多くの人が思った。クロフォードか、イノウエか?」と選考の“舞台裏”に踏み込んだ。
結論とすれば「論争はなかった」という。「テレンス・クロフォードこそがその男だ。リング誌のパウンド・フォー・パウンドで3位だった35歳のベテランが、伝説的なトップ10で4位の男に大差で勝った。委員会の多数派によれば、これ以上言うことはない」とクロフォードの優位性を強調した上で、井上についてはこう記した。
「『イノウエはフルトン相手にそのあだ名通りの内容だった。クロフォードはスペンス相手に同様の力強いパフォーマンスで続いた』とアンソン・ウェインライトは言った。『両方のパフォーマンスが非常に感銘を与えるものだったが、私にとって決定的要因だったのは、クロフォードとスペンスがそれぞれ(パウンド・フォー・パウンドランキングで)3位と4位で戦いに臨んだことだ。フルトンはランク外だった』」