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井上尚弥、王者フルトン撃破で4階級制覇! 衝撃の猛打で8回TKO、観衆総立ちで「尚弥コール」 4団体統一達成者世界2人目の歴史的快挙

ボクシングのWBC&WBO世界スーパーバンタム級(55.3キロ以下)タイトルマッチ12回戦が25日、東京・有明アリーナで行われ、挑戦者の井上尚弥(大橋)が2団体統一王者スティーブン・フルトン(米国)に8回1分14秒TKO勝ちで4階級制覇を達成した。4団体統一と4階級制覇の両方を達成したのは世界2人目の偉業。戦績は30歳の井上が25勝(22KO)、29歳のフルトンが21勝(8KO)1敗。

WBC&WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ、フルトンを破った井上尚弥【写真:荒川祐史】
WBC&WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ、フルトンを破った井上尚弥【写真:荒川祐史】

WBC&WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦

 ボクシングのWBC&WBO世界スーパーバンタム級(55.3キロ以下)タイトルマッチ12回戦が25日、東京・有明アリーナで行われ、挑戦者の井上尚弥(大橋)が2団体統一王者スティーブン・フルトン(米国)に8回1分14秒TKO勝ちで4階級制覇を達成した。4団体統一と4階級制覇の両方を達成したのは世界2人目の偉業。戦績は30歳の井上が25勝(22KO)、29歳のフルトンが21勝(8KO)1敗。


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 世界が注目するビッグマッチは激しく始まった。直前の選手紹介から会場は最高潮。井上の完全ホームの中でゴングが響き渡った。いきなり井上のワンツーが炸裂。ガードの上からだったが、相手を後退させた。新階級でキレキレ、かつパワフルな動きを披露。激しいモンスターのパンチに王者はクリンチを繰り返した。

 2回開始直後、クリンチに逃げようとする相手に井上がパンチを浴びせる。かと思えば、ガードを固め、相手を誘うように“来い来い”と拳を動かしてみせた。3回、カウンターを狙うフルトンは空振りを連発。井上のスピードについていけなかった。中盤は前に出始めたフルトンに井上が後退する場面も。7回、ガードを裏を通す右フックが井上に当たるなど、王者も高い技術を見せた。

 8回、井上の右ストレートが王者の顎を貫いた。たまらず後ろ向きにダウン。井上はコーナーにのぼって喜びを爆発させた。観客は総立ちの大歓声。再開後も猛ラッシュを浴びせてコーナーに追い詰めると、連打でレフェリーが試合を止めた。大熱狂の客席は「尚弥コール」を絶叫。モンスターがまたも衝撃を見せた。

 井上は昨年12月にバンタム級でアジア人初、世界9人目の4団体統一を達成。今年1月に王座を返上し、1階級上で1.8キロ重いスーパーバンタム級に転向した。挑戦者は2018年5月以来5年2か月ぶり。日本人の4階級制覇は井岡一翔しかおらず、世界でも4団体統一と4階級制覇を成し遂げたのは、カネロことサウル・アルバレス(メキシコ)のみ。井上は世界2人目の歴史的快挙が懸かっていた。

 もともとの自身の体格を上回る相手が多い新階級への挑戦。過酷と知られる元世界3階級制覇王者・八重樫東トレーナーのフィジカルトレーニングを受け、肉体強化を図ってきた。同級では、残るWBAスーパーとIBFの王座をマーロン・タパレス(フィリピン)が保持。この日は勝者との対戦機運を高めるために観戦に駆け付けた。

 井上が拳を痛め、当初の5月7日から延期された一戦。1年1か月ぶりのリングとなるフルトンは4戦連続で判定勝ちするなど、高い技術力を誇る。1つ上のフェザー級転向も視野に入れ、身長169センチは井上を4センチ上回っていた。アマチュア時代は米国外で試合経験があるが、プロでは22戦目で初めて。モンスターの挑戦を受けるため敵地に乗り込み、今回がWBC2度目、WBO3度目の防衛戦だった。

 試合3日前の公式会見では、フルトン陣営が井上に正当なバンテージの巻き方をするよう要求。過去の試合もルール上認められたやり方で何の問題もなかったが、井上は思わぬ指摘を受けた。24日の前日計量後のフェイスオフでは、「腹が立った。上から来てんなと。上等だよって思います」と珍しく怒りを露わにしていた。

(THE ANSWER編集部)

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