井岡一翔が挑む王者フランコ、大幅3.1kg超過に海外記者辛辣「馬鹿げている」「王座剥奪のリスク」
ボクシングのWBA世界スーパーフライ級(52.1キロ以下)タイトルマッチ12回戦が24日、東京・大田区総合体育館で行われる。23日は都内で前日計量が行われ、挑戦者の前WBO同級王者・井岡一翔(志成)は52.0キロでパスしたが、王者ジョシュア・フランコ(米国)は55.2キロと大幅に超過した。フランコには2時間以内の猶予が与えられる。井岡は大麻成分検出騒動後初の公の場となり、会場はピリピリムードが漂った。戦績は34歳の井岡が29勝(15KO)2敗1分け、27歳のフランコが18勝(8KO)1敗3分け1無効試合。
WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ前日計量
ボクシングのWBA世界スーパーフライ級(52.1キロ以下)タイトルマッチ12回戦が24日、東京・大田区総合体育館で行われる。23日は都内で前日計量が行われ、挑戦者の前WBO同級王者・井岡一翔(志成)は52.0キロでパスしたが、王者ジョシュア・フランコ(米国)は55.2キロと大幅に超過した。フランコには2時間以内の猶予が与えられる。井岡は大麻成分検出騒動後初の公の場となり、会場はピリピリムードが漂った。戦績は34歳の井岡が29勝(15KO)2敗1分け、27歳のフランコが18勝(8KO)1敗3分け1無効試合。
先に計量台に上がったフランコ。笑顔で登壇したが、乗った瞬間に「オーバー」と伝えられ、計量結果は3.1キロ超過の55.2キロで大幅にオーバーした。一方、井岡は52.0キロで胸を張った。フランコには2時間の猶予が与えられ、この間は何度でも再計量ができる。しかし、残りの体重を落としに行くことはなく、その後は試合が成立する前提で井岡とともにグラブチェックに臨んだ。日本開催の世界戦では、ルイス・ネリの2.3キロ(1度目、再計量は1.3キロ)を超える最も大幅な超過となった。
フランコは「明日の試合はいろいろありましたが、できることはやったので楽しみにしてます」と事もなげに語ったが、ツイッター上では海外記者から厳しい声も飛んだ。米専門メディア「ボクシングシーン.com」のクリフ・ロルド記者は「6ポンドだと……これは馬鹿げている」と驚いた様子でツイートした。
米専門メディア「ボクシングシーン.com」のジェイク・ドノバン記者は「ジョシュア・フランコはWBAのベルトを計量で剥奪される大きなリスクに晒されている。彼には『出来るだけ多くの体重』を落とすために2時間与えられるが、リミットから6ポンドもオーバーしている。陣営は『今週は試合が行われるのか分からないという厳しい、タフな状況に置かれていた。試合中止に限りなく近づいていた』と認めた」と伝えていた。
フランコが2時間以内に再計量をクリアできなければWBAルールでは王座剥奪。試合が行われる場合、井岡が勝てば王座獲得、負ければ空位のままとなるが、当日計量の有無など詳細は両陣営のルールミーティングで決定される。
WBO王者だった井岡は、昨年大晦日にWBA王者フランコとの王座統一戦で引き分け。同級1位・中谷潤人(M.T、現WBO王者)との指名試合の義務があったが、WBO王座を返上し、フランコとのダイレクトリマッチ(直接の再戦)を選んだ。しかし、大晦日の試合前に行われたドーピング検査で、井岡の尿検体から大麻成分のTHC代謝物「THC-COOH(Carboxy-THC)」が検出された。
禁止物質の発覚以降、国内の統括機関である日本ボクシングコミッション(JBC)と一貫して潔白を主張する井岡陣営はやり取りを交わしてきたが、JBCは6月21日になって検出の事実を発表した。ただし、世界ドーピング防止機構(WADA)の基準を下回る尿中THC-COOH濃度の閾値だったため、今回の興行は予定通り開催される。
井岡は2020年大晦日の田中恒成戦のドーピング検査でも、大麻成分などの禁止薬物に陽性反応を示した。しかし、JBCの検体管理方法に不備などがあり、処分はされなかった。井岡は日本人唯一の世界4階級制覇を達成。日本人最多の世界戦通算20勝を誇る。
(THE ANSWER編集部)