「11x-10の悲劇」に散ったあの夏 浦和学院が「エースの涙の182球」以来の甲子園
第100回記念全国高校野球選手権の地方大会は23日、南埼玉決勝で浦和学院が川口を17-5で破り、5年ぶり13度目の出場を決めた。最後に出場した13年夏は名門・仙台育英(宮城)と1回戦で激突し、10-11でサヨナラ負けを喫したが、壮絶な点の取り合いとエースの力投で、ファンの語り草となる名勝負を演じた。あの悲劇以来の夏の甲子園に浦学が帰ってくる。
南埼玉で5年ぶり13度目の夏切符、最後の出場は13年の伝説の仙台育英戦
第100回記念全国高校野球選手権の地方大会は23日、南埼玉決勝で浦和学院が川口を17-5で破り、5年ぶり13度目の出場を決めた。最後に出場した13年夏は名門・仙台育英(宮城)と1回戦で激突し、10-11でサヨナラ負けを喫したが、壮絶な点の取り合いとエースの力投で、ファンの語り草となる名勝負を演じた。あの悲劇以来の夏の甲子園に浦学が帰ってくる。
高校野球の歴史にとって、脳裏に刻まれているファンも多いだろう。春夏連覇をかけて挑んだ13年夏の甲子園1回戦・仙台育英(宮城)戦。1点リードした初回に2年生エース・小島和哉が一挙6点を奪われる展開。しかし、強打の浦和学院打線は動じない。3回に大量8点、4回に1点を追加し、10-6と試合をひっくり返した。
ただ、名門同士による激突は、波乱がまだまだ続いた。試合を優位に運べると思った矢先の6回に一挙4点を奪われ、同点とされた。10-10のまま、終盤へ。第4試合で行われた試合は照明が点き、カクテル光線に照らされた選手たちのドラマは、壮絶な結末が待っていた。9回裏、サヨナラを狙った仙台育英の攻撃だった。
イニングの途中、マウンドの小島が左足がつりかけ、気にする仕草を見せた。そのまま続投し、2死までこぎつけたが、猛暑で182球を投げ続けた体は限界だった。左前打を許すと、森士監督はタイムを取り、交代を決断。背番号1はマウンド上で続投の意思を示すように首を横に振った。エースの意地が見えた瞬間だった。