世界記録保持者も輩出 石川県はなぜ競歩の聖地に?
1キロのラップが4分を切る競歩
全国的に見れば、競歩は故障のリハビリの一環で始めたり、長距離で限界を感じて転向するのが多数派だ。石川のように、有望選手が競歩を選択するのが全国でも一般的になれば、競技全体のレベルは向上する。
全国津々浦々から箱根駅伝を目指す長距離選手は、高校でも選手層が厚い。競歩も同じように五輪を目指す人材が全国から集まるようになれば、今以上のタレント発掘も可能になるだろう。
今回能美大会を制した松永は横浜高出身だが、高校1年時に自ら競歩転向を決断。インターハイ優勝や世界ジュニア金メダルと、すぐに頭角を現した。競歩は見た目以上に過酷な競技。「歩く」とはいっても、1キロのラップタイムは4分を切るレベル。マラソンと変わらない持久力が求められる。
身体能力や心肺機能に優れた選手を吸い上げる「石川式」が全国に広まれば、日本競歩の表彰台ラッシュもさらに現実味を帯びてくる。
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ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer