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「ドイツ相手ならドーンと蹴ってたよな」 日本失点の刹那、久保竜彦の目に映っていた伏線

サッカーのカタール・ワールドカップ(W杯)は27日、グループリーグ第2戦で日本はコスタリカに0-1で痛恨の黒星を喫した。元日本代表FW久保竜彦は第1戦のドイツ戦に続き「THE ANSWER」編集部を訪問。試合直後、インタビューに応じ、ドラゴン流の分析を行った。前編では、後半24分に決定機で相手に倒されたFW伊東純也、同36分にパスミスから失点につながったDF吉田麻也などについて触れながら、試合全体を総括した。(取材・構成=THE ANSWER編集部・神原 英彰)

後半36分、吉田麻也のパスミスから失点につながった日本代表【写真:ロイター】
後半36分、吉田麻也のパスミスから失点につながった日本代表【写真:ロイター】

THE ANSWER編集部で日本―コスタリカ戦を観戦

 サッカーのカタール・ワールドカップ(W杯)は27日、グループリーグ第2戦で日本はコスタリカに0-1で痛恨の黒星を喫した。元日本代表FW久保竜彦は第1戦のドイツ戦に続き「THE ANSWER」編集部を訪問。試合直後、インタビューに応じ、ドラゴン流の分析を行った。前編では、後半24分に決定機で相手に倒されたFW伊東純也、同36分にパスミスから失点につながったDF吉田麻也などについて触れながら、試合全体を総括した。(取材・構成=THE ANSWER編集部・神原 英彰)

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 ◇ ◇ ◇

 あんなもんやろね。どっちに転ぶか分からん試合で。運が悪かったわな。

 コスタリカは絶対、守ってくるけんね。厳しくやる(守る)のは、誰が見ても分かってた。(スペイン戦で)7点ぶちこまれてね。ドイツ戦の時に日本も柔軟性があると言ったけど、そこまではなかったっちゅうことかな。

 カウンターサッカーをやると思って、メンバーを選んどるわけで。

 本当のサッカーって、自分が持って崩すサッカーが本物やと思うし。今日に関しては肝がおらんのがね。キープができても、最後のフィニッシュができるやつがおるかといったら、おらん。そういう選手は、なかなか出んけどね。

 三笘は何かできると思うけどね。だけど、あんだけペナ(ペナルティエリア)の中に相手におられて、決定的なことができるかっちゅうと。鎌田が何かしそうな感じがあったけど、相棒がおらんかった。疲れとったし。(決定機で)体勢が後ろになってた。

 1人で、どうにかうまく穴を見つけてって、動き回って。持たんよね、体力が。それはしょうがない。

 引いた相手には、阿吽の呼吸がないと無理よね。ダイレクトで蹴るとか、(味方を)見てなくて蹴るとか、タイミングが合って決めるしかない。それか、個人で爆発的なやつがおるか。伊東がそうなりそうやったけど、(後半24分の決定機で)こかされた(転ばされた)しね。

 あれも倒れんで、馬力で持って行ってシュートまで行くとか、そういうやつがおらん。伊東も行けたと思うけどね。けど、あそこでトラップが大きくなって倒れるしかなかった。ちょっと1つ目のタッチが大きかったけえ、倒れるしかなくなった。

 もらった時に(真正面の視界が)開けとったけん、そうなるとタッチが絶対、大きくなるんよ。見た中では、大久保(嘉人)なら行ってた気もするけど、普通は行くやつはおらんよな。

 あの流れだと(失点した場面は)吉田がつなごうとするんもわかる。(伏線は)前半からつないでやってたやん。ドーンと蹴ってれば違ってたけど、ドーンと蹴るような試合じゃなかった。相手がドイツなら絶対、蹴ってるよ。

 あそこからカウンターというのを狙ってたと思う。(受け手の)守田もきつかったんやろね、たぶん。あいつは蹴ってくれと思ったかもしれん。1点が欲しいけん。しゃあないよね。ちょっと精度が悪かっただけ。そういう狙いでやってたと思うしね、絶対。

 日本もやり方としては全然、間違ってなかったと思うんよな。スペイン戦がある。(キーマンは)あれがあれになるやろ。

(後編「『あれ(鎌田)があれ(キーマン)になるやろ』 ドラゴン節で呟く久保竜彦のスペイン撃破論」に続く)

■久保 竜彦 / Tatsuhiko Kubo

 1976年6月18日生まれ。福岡・筑前町。筑陽学園高を経て、1995年に広島加入。森保監督(当時選手)とは7シーズンプレーした。2003年に横浜F・マリノスに移籍し、リーグ連覇に貢献。1998年に日本代表デビュー。ジーコジャパンとなった2003年以降は日本人離れした身体能力と強烈な左足でエースとして活躍したが、腰や膝など度重なる怪我により、2006年のW杯ドイツ大会は落選。以降、横浜FC、広島などを渡り歩き、2014年に引退。J1はリーグ戦通算276試合94得点。日本代表は国際Aマッチ通算32試合11得点。引退後は山口・光市に移り住み、コーヒー焙煎や塩作りなど、異色のセカンドキャリアを歩む。

(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)


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