W杯で期待する「序列を覆す挑戦」 適性見抜いた恩師が信じる板倉滉&田中碧の才能
ドイツやスペインに勝てば「自分たちのステージが変わる」
プロになってからは、自覚してストイックに自ら向上を図った。
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「同級生が集まる時に、碧には連絡をしても来ないんだそうです。毎日寮とグラウンドの往復ばかりで、一切遊んでいなかったらしい。『家で何してるんだ?』と聞くと『映像を見てます』と言っていたから、どこでリラックスしているのか分からないですよね」
髙﨑は常々「仲間の力を引き出すのがサッカーだ」と伝えてきた。逆にピッチ上で「オレのサポートしろよ」などという声が聞こえた時は、「そんな情けない言葉は使わないようにしよう」と訴えかけた。
「欧州や南米に助っ人として行くなら、サポートのない局面など自分で打開できなければ、高く買ってはもらえない」
そういう揺るぎない信念があった。
田中には、人の特徴を見極め、力を引き出していく高い能力があるという。
「例えば、受け手のタイプによって出すパスや要求は変わってくる。味方の特徴を把握し活かしていく。碧には、それができる。逆に今、ドイツでもがいているのは、そこなのかもしれません」
カタールで4人の教え子たちが、日の丸をつけて戦う。髙﨑は大きな期待を抱いて、それを見守る。
「もし(ドイツやスペインに)勝てば、間違いなく自分たちのステージが変わり、日本のランキングも上がる。自分たちで序列を覆せる大きな挑戦になります」
日本を勝たせる存在であってくれ! 髙﨑はそう願っている。(文中敬称略)
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(加部 究 / Kiwamu Kabe)