大王製紙エリエールレディス最終日

　女子ゴルフの国内ツアー・大王製紙エリエールレディスは20日、愛媛・エリエールGC松山（6575ヤード、パー71）で最終日が行われ、36歳の藤田さいき（チェリーゴルフ）が通算21アンダーで11年35日ぶりのツアー通算6勝目を挙げた。1988年のツアー制施行後では、史上2番目のブランク優勝。単独首位で出た2017、19年賞金女王の28歳・鈴木愛（セールスフォース）は2位だった。

　鈴木は同じ最終組で回った藤田に競り負けた。2番でバーディーを奪い、2打差をつけたが、7番でボギー。それでも、8、9番の連続バーディーで盛り返した。11番で1つ落とし、13番で藤田がバーディー。首位の座を譲った。15番はカラーからパターでねじ込むなど意地を見せたが、1年4か月ぶりのツアー通算18勝目はならなかった。

　ラウンド後に涙を流し、「やり切ったので、悔しいですけど悔いはないです」とコメント。「11番だけが……」とボギーを悔やんだ。優勝を意識しないように心がけた今大会。最終日については「楽しく回れましたし、久しぶりにちゃんとした優勝争いがずっと最終日までできた。久しぶりにギャラリーの皆さんの前で良いプレーができたので、本当に楽しかったです。やるべき事はやったかなと思います」と振り返った。

　今季29試合で予選落ちは6度しかないが、トップ10は5度に留まるなどなかなか優勝争いに加われていなかった。

　10月に金田久美子が11年189日ぶりの優勝。藤田は2011年10月の富士通レディース以来11年35日ぶりの優勝で、金田に次ぐ史上2番目のブランクとなった。鈴木は涙を流す先輩プロの優勝直後にハグを交わし、労うように背中をさすって称えていた。

「正直、（藤田は）11年も優勝していない気がしていなかった。昨日からずっと良いプレーをされていましたし。互いに伸ばし合いながらできた。昨日も言いましたが、2人が落として優勝争いするのは嫌なので、2人ともしっかり伸ばすゴルフする中で優勝争いができた。自分も良いプレーしましたが、さいきさんがもっと良いプレーをしたのでしょうがないかなと思います」

　次週は今季のツアー最終戦。「来週は最後の試合ですし、失うこともない。最終目標がリコーだったのでそこに向けて調整したいなと思いますし、自分のできる力を最大限出せたらなと思います」と前を向いた。