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久保建英、三笘薫らW杯代表4人を指導 川崎U-12元監督が“利き足”重視に転換した理由

逆足に逃げてしまうと「もったいない」

 現代サッカーで時間とスペースが限られスピード化が加速すると、とりわけ日本では「右も左も」を強調する傾向が強まった。しかし逆に厳しいプレッシャー下でプレーするからこそ、世界のトップ選手たちの大半は9割以上、利き足でボールを扱っている。

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「今の子供たちにも、本当に利き足を磨いてほしい。間違いなく武器になるし、そのほうが自分の特徴を発揮できる。同じ失敗でも、利き足でのチャレンジなら『今のは良かったよな』と思えるけど、そこで逆足に逃げてしまうと『もったいないな』と思います。箸を逆の手で使わないなら、ボールも利き足で持ってよ、と言いたいですね」

 1期生が世界への道を切り拓くと、自然と下級生へと文化が引き継がれていった。

「振り返ると、1期生には周囲からもいろいろとプレッシャーがかかっていました。でも彼らがタイトルを取ると、あとは『世界はこうだよ』と選手間で落とし込まれていきました。僕自身は、選手個々が上手くならなければ面白くない。だから上手い子を育てて、結果として勝てたということです」

 こうして国内4連覇の偉業が残った。(文中敬称略)

【第2回】久保建英は「2度と同じ失敗をしない」 川崎U-12元監督、規格外の10歳から受けた衝撃

(加部 究 / Kiwamu Kabe)


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加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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