3バックは「W杯では使わないかな」 松井大輔がカナダ戦で気になった日本代表の戦い方
選手から感じた3バックに「慣れていない雰囲気」
この日の日本には、いくつかのエクスキューズがあった。主力と目されている冨安、遠藤、守田、三笘の4選手がコンディション不良で試合に帯同せず、所属クラブで負傷した影響が心配された浅野、板倉、田中碧といった面々の状態を確認する意味合いも大きい一戦だった。
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「さまざまな事情があるなかで、アジア最終予選で中心になっていたメンバーがあまり出場していない組み合わせになりました。コンビネーションの部分で即席チームになってしまうのは仕方ないですし、まずは浅野選手や板倉選手、田中選手の状態を確認したかったという気持ちも理解できます。前半20分くらいまでは日本ペースでしたが、その後は徐々に押し込まれる時間帯も長くなり、チームとしての完成度という点では本来の出来ではなかったと思います」
ゲーム終盤、森保一監督は吉田麻也を投入し、4バックから3バックへ移行。9月シリーズでも試していた戦い方だったが、結果としてシステム変更後に決勝点を献上することに。後味の悪さが拭い切れない出来事に対し、松井がプレーさながらの鋭いステップで切り込んでいく。
「いろいろなバリエーション、オプションを持っておくのは良いこと。ドイツやスペインといった格上のチーム相手に守備の時間が長くなる可能性も想像できます。でもカナダ戦を見る限りでは、選手たちが慣れていない雰囲気を感じてしまいました。システム変更が失点の原因ではなかったとしても、結果として3バックが成功しなかったという事実は選手の頭の中に残ってしまう。もう本番では使わないかなと思います」
カナダに逆転負けという結果を、上昇のきっかけにできるかどうか。課題と収穫を手にした日本代表が、いよいよ23日、カタールの地でドイツとのW杯初戦に臨む。
(藤井雅彦 / Masahiko Fujii)